人生における損切りとは?過去を手放す方法とアウフヘーベン(止揚)
今回は「損切りの魔力」というテーマで書いていきます。

今回の記事を読むことで、自分の人生における「損切り」という決断の意味合いを、まずはしっかりと理解することができるようになります。

そしてその上で「なぜ損切りという決断が、自分がビジネスをする上でも、自己成長を実現する上でもプラスに機能するのか?」ということも分かるようになりますので、しっかりと最後まで読んでほしいと思います。

それでは、まずはこちらの動画からご覧ください。


以下では、この内容に沿って解説を加えていきます。

過去の産物の損切り

損切りとは?


まずは「損切り」という言葉の確認をしておきます。

損切りとは?
今保有している投資案件が含み損の状態でも、その損失をこれ以上大きくしないために早めに売って、損失額を確定させること

つまり、損失を最小限に抑えるために潔くその案件を手放すということですね。株やFXなどの投資の世界ではおなじみの言葉です。

そしてこの損切りの考え方は、何も株やFXをする人だけにとって大事なものというわけではありません。私はこの考え方はあらゆる人にとって重要な概念だと思っています。

なぜなら、世の中にはこれまでやってきたことを損切りできず、それによって不自由な思いをしている人も多いからです。

人生における過去の損切り

過去の産物を損切りできない人


◎「自分はこんな経験をしてきているから、とりあえずこれを活かせることに取りかかろう」
◎「せっかく努力をしてこの資格を取ったんだから、今更この資格と関係ない仕事には就けない」

このように考える人は非常に多いです。

「自分は看護の経験が豊富だから、その経験を活かせる活動をしよう」とか「せっかく司法書士の資格を取ったんだから、今更この資格に関係ない仕事はできない」とか…。

 それは過去のこちらの記事「就職活動や転職に資格は有利?学歴に関係ない仕事を探している人へ」でも書いた通りです。

そのような発言の根本には「自分が時間をかけて経験したことを未来に活用したい」「自分が苦労と努力を重ねて得たものを無駄にしたくない」という思いがあるのでしょう。

ただ、これは自分の「過去」に縛られて「今」の可能性を制限しているという点では非常にリスクの高い考え方です

基本的に、人が「今どんな活動に取りかかるか」に関しては、今のその人自身が自由に決められるはずです。今何をするかは、今のその人に自由な選択肢が与えられているのです。

しかし、先ほど述べたような「過去」得た経験や資格を基準に取りかかる活動を決めようとすると、その選択肢が大幅に狭まってしまうことになります。そのような考えのもとでは、仮に今司法書士の資格をもっていたとすると、本来は選択肢は無数にあるにもかかわらずその人は司法書士やその他法律にまつわる仕事くらいしかできなくなってしまうのです。

もちろん「今」を基準に自分が実現したいと思える目標を決め、その手段として「過去」の経験が結果的に活きてくるのであれば、何も問題ありません。

しかし、この順番を逆にすると問題が生じます。自分が「過去」経験してきたことを基準に「今」やることを決めてしまうと、今心の底からやりたいと思っているわけではないこともずっと続ける、不自由な人生になってしまいます。いわば、自分の過去の産物を「損切り」できずにこの先ずっと含み損を抱えて活動していくことになるのです。

したがって「過去」の産物が「今」自分のやりたいことに合致していないのであれば、それは思い切って損切りの対象にすべきです。

損切りできない方が勿体無い


事実、私自身も過去やっていた塾講師をやめて、全く異なる業種に飛び込み、そこでインターネットを活用したビジネスを学んで、起業して今に至っています。つまり、新たな業種に飛び込んだ時点で、塾講師というそれまでの経験を「損切り」したことになります。

そしてこのことについて、当時は知り合いからは次のように聞かれることがありました。

「(塾講師の経験が)勿体無いと思わなかったの?」

しかし、私は自分の決断が勿体無いとは全く思いませんでした。

確かに、それまでの塾講師の経験を生かしてまた別の場所で同じように講師をやろうと思えば、それなりの塾にも採用されたと思いますし、新たな稼ぎ口を確立するという点では難易度はかなり低かったと思います。

しかし、それまでと全く同じように塾講師をすることは、私が当時やりたいと思っていたことと合致していませんでした。当時抱いていた構想を実現させるためには、一旦塾講師の経験を捨てるのが私にとってベストだったのです。そしてその方が、今やりたいことに向けて全力で進んでいることからくる開放感や充実感も得られます。

過去蓄えてきたリソースをもとに、それを手段として自分にできそうなことをやるのではなく、今の自分の心の底からやりたいと思える構想を先に設定し、それに沿った手段を一から確立していく方が、開放感という点でも自己成長という点でもプラスになるのです。そしてその手段として「過去」が生かせるのであれば、使えばいいというだけの話です。

 これは脳科学的な知見からも明らかで、過去のこちらの記事「ミラーニューロン効果と網様体賦活系を島田紳助を具体例に挙げて解説」にも書いた通りです。

今の自分のサイズにあったことだけをやっていては何も成長しません。したがって、当時言われた「過去を活かさないと勿体無い」という感覚こそが、私からすると勿体無いと思っています。過去の産物に縛られて今後の自分の可能性を制限してしまうのは本当に勿体ないの一言です。

過去の経験や資格などは今やりたいことを進めていく過程で使えそうな時に取り出してくればいいだけのものであり、今やることを決定する羅針盤にはなりません。

これまで積み上げてきたものに執着している限り本当の意味での成長はできませんので、ぜひこの「損切り」という考え方の重要性を認識しておいて下さい。

損切りの先にあるアウフヘーベン

「手放す」ことは「無駄になる」ことではない


そして、過去の産物を手放して(損切りして)新たなことに取りかかったとしても、その過去の産物は決して無駄にはなりません。

新たな活動に着手し、それを突き詰めていくと、必ず過去自分がやってきたことが何らかの形で活きてくる場面が出てきます。

自分自身の損切りの例


例えば私であれば、それまでの塾講師という経歴を手放し、新たにインターネットを駆使してビジネスを教える起業家の領域に足を踏み入れたわけですが、過去の塾講師としての経験は全く無駄にはなっていません。塾講師時代に培ってきた知識や教授法は今でも役に立っていますし、今のビジネスを教える活動も、実際に過去に塾の現場で教育産業の実態を見て、それが時代遅れも甚だしい紋切り型のものだと実感してきたからこそできることです。

教育の現場ではよく「社会の中で生きる力を育む」と言われますが、正直掲げているだけで中身が伴っているとは思えません。そもそも「自分でお金を生み出す力」というのが「社会の中での生きる力」というのと直接関わってくるはずですが、日本の教育の現場ではお金の教育は一切なされませんので。

そのような状況を踏まえ、旧態依然としたあり方の教育ではなく、学校から社会への新しい架け橋となるようなビジネスの教育をしていこうということで、私は現在オンライン・オフライン問わず活動しているですが、それはやはり過去の経験があってこその活動になるのです。

したがって、過去の産物が無駄になっていることはありません。無駄になるどころかむしろ、過去の産物があるからこそ、自分ならではの活動ができています。「塾講師としての経験」と「起業家としての経験」が統合されることで、今はより一段階高い次元で、自分なりのより強固な軸を持って活動できているのです。

クライアントの損切りの例


またそれ以外の例もあげると、私の過去のクライアントで「以前一級建築士として仕事をしていたのを辞め、今は起業コンサルタント・カウンセラーとして仕事をしている」という人がいます。この場合も、今のカウンセラーの仕事において、過去の建築業界での経験は無駄にはなっていません。

建築士は、図面を書いて建築物のデザインをします。一方カウンセラーは、主に人の内面をプラスにデザインする仕事です。つまり、直接扱うのが建築物という人の外側の空間なのか、ココロという内側の空間なのかという違いがあるだけで「その人が快適に過ごせるようにデザインする」という点では両者は共通しているのです。

なのでこの場合も「幾何学的なアプローチ」と「エモーショナルなアプローチ」を通して、その人にしかできない人生全般のデザイン・コーディネートができることになります。

過去の産物は無駄になるのではなく、過去と今、全く異なるものが統合され、その人ならではの全く新しい活動ができていることになるのです。

このように、二つの異なる経験というのは、より抽象度を上げた高い次元で統合され、全く新しい形に生まれ変わることができます。

アウフヘーベンによる自分ならではの軸


二つの全く別のものが高い次元で統合される、これを「止揚(アウフヘーベン)」と言いますが、このこのアウフヘーベンが起きると、自分の生成できるエネルギー量は格段に上がります。より広範囲の人に、より深くプラスの影響を与えることができるようになるのです。

私の場合であれば、塾講師時代に直接影響を与える対象は主に高校生だけでしたが、今はかなり幅広い年代の人に、本当の意味での生きる力を身につける手伝いをしています。先ほどのカウンセラーの例でも、より広範囲の人に、より深くリーチできるという点では全く同じです。

繰り返しになりますが、過去の産物を損切りするというのは、決して過去を無駄にすることではありません。

新たなものに取りかかった当初は、一時的に「あの時は無駄なことをしていた」と感じるかもしれませんが、ステージを上げた新しい自分の軸が再構築された時、それは決して無駄ではなかったということに気づくのです。

ぜひ、この考え方を押さえておいて下さい。

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