社会的証明の原理のマーケティング活用法とバンドワゴン効果の具体例
今回は「社会的証明の原理」という心理学用語を解説します。

この記事を読むことで理解できること
◎「社会的証明の原理とは何か?」
◎「日常ではどのような場面で社会的証明の原理があわられるのか?」
◎「ビジネスでは社会的証明の原理がどのように応用されるのか?」

今回の記事も、日常でもビジネスでも使える心理学になりますのでぜひ最後まで読んで知識を深めて欲しいと思います。

それでは、まずは社会的証明の原理について簡潔にまとめた以下の動画をご覧下さい。


以下、この心理学的現象を詳しく解説していきます。

社会的証明の原理が現れる場面


では、今回はイメージしやすくするために、はじめに具体例から入りたいと思います。「こんな経験、自分にもあったかな?」といった視点で以下の文章を読んでみて下さい。

とある旅館に宿泊したときのこと。
その旅館の朝食の食卓に出てきたのは次のようなメニューでした。


ごはんとみそ汁と焼き魚、そして納豆に生卵。まぁ朝食としては、いたって普通のメニューです。・・・と思いきや、食卓に並んだこのメニューを見た時に一つ疑問が浮上してきました。それは…

この場合の生卵って…どうやって食べるん?

この食卓に納豆がなければ、おそらくこの生卵はご飯にかけて「卵かけごはん」として食べるのでしょう。

ただ、ここに納豆があるということはこのご飯は納豆とマッチメイクさせるはず。そうすると、この卵は一体何だ?目玉焼きや卵焼きとして出てくるならわかるが、生卵て…。

そして、生卵の処理の仕方に困った途端、色んな憶測が頭の中に飛び込んできました。

▼▼(以下、心の声)▼▼

●「こ、これはもしかしたら、自分は知らないが一般には通用している、そんな食べ方があるのではないか?例えば、卵かけごはんに納豆を載せて食べるとか…、生卵をそのままツルっと飲み込むとか…」

●「いや、待てよ。ひょっとすると、納豆が苦手な人でも卵アレルギーの人でも困らないように、納豆と卵どちらを選択してもいい形になっているだけかもしれない。そうすると、うかつに卵と納豆両方をご飯にかけるという奇襲戦法に出るのは賢明ではない…」

●「いやしかし、卵も納豆も嫌いではない人も多いので、まともな旅館であれば客に対してせっかく出されたものの一方を切り捨てるなどということはさせないはず」

●「一体どうすればいいんだ…。ここは一つ、卵アレルギーであると装って納豆だけを選択するという無難な策にでるか…。いや、しかしそれでは卵がもったいない…」

このような場面は決して珍しくないと思います。どのように食べるべきか・自分はどんな行動を起こすべきか、判断に困るという場面です。

そして上の例の場合、多くの人が行き着くのが次の行動だと思います。

「周りの人がどのように食べるのかを観察する」

そしてたいていの人は、他の多くの人が実践している食べ方を「それが普通なんだな」とみなして同じ食べ方を実践します。多くの人がとる行動を「正しい行動」と考えるということですね。

このように、人は、他人がどのような行動をしているかによって、自分がどう振る舞うべきかを決めることがよくあるのです。

社会的証明の原理とは?


以上のように、人間には「他の人がどのように行動しているかに基づいて、それが正しいかどうかを判断する」という習性があります。

これを心理学用語では「社会的証明の原理」と言います。みんながやっていることは正しいことだとみなす心理が人間には備わっているのです。

上で挙げた例のように、多くの他者の行動というのは、自分が行動に迷った時の「正しさ」を示してくれる一つの基準になります。また「赤信号みんなで渡れば怖くない」という言葉の通り、他の多くの人の行動は、一般的に良くないものであってもそれを正義とする力があるといえるでしょう。

そして、このような「他者の行動を正しいとみなす」傾向は、普段の日常でも頻繁に見受けられます。例えば、出会い系サイト(マッチングアプリ)をやっている理由を尋ねられた話す時に、このように発言してしまう人を見たことがないでしょうか?

「いや、これみんなやってるから」

これは「みんなやっていることだから自分がやっていることはおかしなことではない」というメッセージですね。自分の行為を正当化するために、無意識のうちに多数お他者の行動を利用することもよくあるのです。

(まあ、個人的には「みんなやっている」といった表現を使う人は信用できませんが…。「みんなって誰やねん」とツッコミを入れたくなります 笑)

バンドワゴン効果


そして、この社会的証明の原理にまつわる単語として「バンドワゴン効果」というものがあります。

これは「一つの選択が多くの人に受け入れられていることがわかると、それを支持する人が一層多くなる」という現象のことをいいます。

例えば、テレビか何かの選挙の特番で「A党が圧倒的優勢」という事前の報道がでると、結果としてそのA党に投票する人が一層多くなるということが起こります。これは「みんなA党に投票しているからそれが正解なんだな」という社会的証明の原理に基づいて行動することから生じる現象といえます。

要するにバンドワゴン効果とは、「社会的証明の原理」という人間に備わる一つの心理が目に見える形で現れた一つの現象なのです。

社会的証明の原理を利用した手法


私たちの周りでは、この社会的証明の原理を利用した例がいくつも見られます。例えば、公衆トイレでこのような張り紙を見たことがありませんか?

「いつもきれいに使っていただきありがとうございます」

これは「みんなきれいに使っているから、自分もきれいに使わなければいけないな」という気持ちになってもらうための文言なのです。この文言が例えば、

「トイレはきれいに使ってください。掃除が大変です」

上記の表現になっていたとしたら「みんなきれいに使ってないなら自分もいいや」と思ってしまう人もわりと多いのです。それを「みんなきれいに使っていますよ」ということを暗に示すことによって、多くの人の行動をコントロールしているのです。


また、これはビジネスの場面でもさまざまな形で用いられています。

「○年連続売り上げNo.1」「おかげさまで○周年」

このような文言は「それだけみんなが支持している商品なんだから、この商品は良質なものなんだな」という気持ちを消費者に誘発します。その結果、この商品の売れ行きが伸びるということが頻繁にあるのです。

また、あまりよくない(であろう)例で言うと、店や劇場にサクラを忍び込ませるのも、人気があるように見せることによって多くの客を呼び込もうという「社会的証明の原理」を利用した手法です。

このように、「社会的証明の原理」を利用した手法は日常のさまざまな場面で見られるので、いろいろ注意して見てみると面白いかもしれません。


…で、あの場合の生卵はどうやって食べるのが正解なのかな?


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