日本の家庭教育・学校教育の闇とデジタル化(オンライン授業)の可能性
今回は「日本の教育の闇」というテーマで書いていきます。

この記事を読むことで理解できること
◎子供を知らず知らずのうちにマイナスの方向に陥れてしまう教育の実態とは?
◎これから子供を教育する立場の人は、どんな知識や視点を持ち合わせておくべきか?

産業社会における人々の価値「所有」


まず「日本の教育の闇」について考えるにあたり、その前提として共有しておきたいことがあります。それは次のことです。

かつての産業社会では、人々はモノの「所有」に大きな価値を見出していた

これは言い換えると「産業社会においては『どれだけ良いモノを多く所有しているか』ということが人生の幸福度の大きさを示していた」ということです。

例えば・・・

・(広大な)家や土地を所有している
・(高級な)車を所有している
・(一流)企業に勤めている
・(高等教育の)知識や情報を持っている

このように「家・車・学歴・職歴(あるいは貯金額)」などなど、そういった誰もが羨むようなモノをどれだけ多く所有しているか…これが産業社会における自分のステータスであり、人生の幸福度の左右する大きな要素だったのです。言わば、当時はこの「所有」をもって他者にマウントを取ることができる時代だったということです。

では、このことを前提とした上で、日本の教育の闇についての本題に入ります。

これまでの教育の実態



初めに、これまでの一般的な教育の実態を確認していきましょう。

家庭教育の実態


すでに述べたように、これまでは「多くのモノを所有している」ことが人生の幸福度の指標になっていました。したがって、親が自分の子供を育てる際にも「そのような多くのモノを所有できる、幸せな生活を送ってほしい」という価値観を持って教育することが一般的だったのです。

具体的に言うと・・・

・「家や車など所有するは大きなお金が必要」
→「その大きなお金は、一流企業に正社員として勤めることで安定的に得られる」
→「その企業に入るためには、高い学歴を持っている必要がある」

このような発想から、家庭教育では「一生懸命勉強して大学に入りなさい」「できれば大学は卒業しておいた方がいい」といった言葉が出てくるのです。実際に当時は「学歴の高さで生涯賃金が変わる」というデータもあったようです。

つまり、親が子供を大学に行かせようとするのは、産業社会当時の「所有」の信仰心から来ているのです。当時の価値観を引きずり、自分の子供にも多くのモノを所有できる人生を歩んでもらおうとするあまり、特定のやり方を押し付ける形となって、結果子供が親の所有物になっていたということです。

産業社会の家庭教育のポイント

家庭教育によって、所有を目指す子供自体が所有の対象になる


これはよくあることです。一つの行為を絶対視するあまり、自分がその行為の対象物になっていしまうのです。

学校教育の実態


さらに言うと、産業社会当時は「大量生産・大量消費」によって日本の経済がどんどん発展していった時代です。そのような社会では、企業において「ここで生産した商品を、決められた期日までにしっかりと納品しよう」といった形で、決められたことを遅滞なく・ミスなく・規律正しく実践できる労働者が、いわゆる「仕事ができる人」とされていました。

しかし、そのような人は、次のことに気付いていないのです。

・自分が学校という空間で多くの人と一緒に労働者にふさわしい人材として【生産】され、
→その後企業の一括採用という制度のもとでみんなと一緒に大量に【納品】され、
→そして企業の中で労働力として【消費】されていく

自分がそのような存在になっていることに…。

つまり、大量生産・大量消費が望ましいとされていた当時は、学校教育の時点で子供自身が大量生産・大量消費の対象にされており、工業製品と化していたのです。

産業社会の学校教育のポイント

学校教育によって、企業への就職を目指す子供自体が大量生産・大量消費の対象になる


これが、産業社会の教育の実態なのです。

これまでの教育の本当の問題点


なお、上記の事実だけを知ると、「子供が搾取されているだけ良いことは一つもない」そんな印象を受けるかもしれません。しかし、それは少し違います。

当時は多くの家庭教育で言われていたように、決められたレールに沿って頑張って良い大学に入ることができれば、その後もそれなりに幸せを感じられる時代でした。したがって、そのような意味では別に間違った教育をしていたわけではありません。

学校という教育システムに関しても同じです。当時は、外国の圧力に対抗できるほどの経済的・軍事的に強い国として日本が生き残るためには、学校のシステムは必要不可欠だったです。

 このことについては、過去のこちらの記事「日本の義務教育の歴史を紐解くと国家の目的(洗脳教育)が見えてくる」を読み返してもらえれば分かります

つまり、当時の家庭教育の仕方や、学校のシステム自体に問題があるわけではありません。当時の時代背景を踏まえれば、それらには一定の意義はあったのです。問題なのは…

時代が変わった今でも当時の価値観や当時の成功モデルを引きずり、いつまでも時代にそぐわないやり方を続けている

このことが問題なのです。

したがって、例えば今の時代に「とりあえず大学は出ておいた方がいい」などと教育するのが問題アリということです。産業社会当時であれば、その教育の仕方は間違いではないのですが、時代が変われば、持ち合わせるべき価値観も変わります。

今の時代においても当時の価値観を引きずり「とりあえず大学は卒業しておいた方が…」と言うのは、はっきり言って未来を生きる子供のためになっていません。それは、時代遅れの親が自分の安心感を得るために発している言葉に過ぎないのです。

これからの教育のあり方


では、今がどのような時代で、これから子供を教育する上で何が重要になるのか…?

これに関してはこちらの動画にまとめておきましたので、ぜひじっくりとご覧になって下さい。


「日本の教育の闇」のまとめ
産業社会においては、人々はモノの「所有」に大きな価値を見出しており、「どれだけ良いモノを多く所有しているか」が人生の幸福度の大きさを示していた(学歴や仕事も含め、良いとされるモノの「所有」はその人のステータスだった)

そのため、産業社会当時は子供に対してその価値観に即した教育が行われていた(実質的に子供は、家庭教育においては「親の所有の対象」となり、学校教育においては「大量生産・大量消費の対象」にされていた)

しかし、当時の教育や学校のシステムに問題があるわけではない(当時の時代背景を踏まえれば、その教育の仕方やシステムにも一定の意義はあった)

問題なのは、時代が変わった今でも当時の価値観や成功モデルを引きずり、いつまでも時代にそぐわないやり方を続けていること(常に時代に即した勉強やコミュニケーションの仕方が重要になる)

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