家と車を買う前に知っておくべきこと(あなたをお金の牢獄に導く負債)
長年会社に勤め、今では中間管理職として毎月それなりに安定した給料をもらっているのになぜかお金がなかなか貯まらない。それどころか、毎月支払い明細を見るたびに気持ちが萎え、このまま継続して働いていても一向にお金の不安から解放される気がしない…

このようなことを日々感じながら生活している人は非常に多いです。彼らは毎月安定した収入はあるものの、毎月の支出もそれなりに多く、収入と支出のいたちごっこから抜け出せないまま労働の無間地獄にハマっているのです。

本記事ではそのような人を便宜上 “中流階級” と呼びます。

彼らは決して収入が低すぎて貧困状態に陥っているわけではありません。毎月それなりの金額が自分の口座に振り込まれています。それにも関わらず彼らがお金の問題から解放されないのは、“お金の使い方” に大きな問題があるからです。

彼らのお金の使い方には「稼いだお金を負債に換えている」という特徴があります。

負債とは「所有しているだけで自分からお金を奪っていくもの」を指しますが、彼らは負債を負債であると認識せずに良かれと思って所有し、知らず知らずのうちに自らお金の牢獄に足を踏み入れているのです。

そこで以下では、彼らをお金の牢獄にいざなっている二つの代表的な負債を紹介し、その具体的特徴を明らかにします。

マイホーム(住宅ローン)


マイホームを購入する際は住宅ローンを組むことが一般的です。数千万円もする住宅を自分の手持ちのお金だけで一括購入できる人は少ないため、多くの場合は金融機関からお金を借りて(ローンを組んで)住宅を購入することになります。

この住宅ローンを組むと、一般的には毎月数万〜数十万円を35年にわたり返済し続けることになります。

「30年以上にもわたって自分の住居を固定しながらローンを返済し続ける生活を強いられる」

これが住宅ローンの最大のリスクです。時代が刻一刻と変化する現代においては10年先の未来ですら予測することは困難です。そんな中、35年後まで身動きが取れず決まったお金を吸い取られ続けるこの契約は「悪魔の契約」とも言っても過言ではありません。

今の勤務先の収入をあてにして住宅ローンを組んだ場合、仮に今収入が安定していたとしても自分がコントロールできない要素(会社側の業績悪化や不祥事など)が原因でその安定が崩れることなど現代では珍しくはありません。そしてその瞬間、返済が困難になり窮地に陥ることになり得ます。

また一度住宅を購入するとその後は気軽に移住ができず、さらにその家を売却せざるを得なくなった場合も買値と同等の価格で売却できるケースなどほとんどありません。住宅は基本、購入した瞬間に価値が下がります。

10年先の未来すら予測できない現代における住宅ローン制度とは、住宅の販売側や金融機関側がその不安定な時代に安定収入を得るための手段でしかありません。

住宅の販売側はあの手この手で買い手を勧誘し、最終的に「今のうちに買っておかないと損だ」という意識を買い手の頭に刷り込みますが、それは実は「今購入してくれなければ販売側の自分が困る」ということを巧みに隠して必死にセールスをするプロパガンダなのです

また、買い手の側には「男は自分の家を持ってこそ一人前の証だ」などという古くからある謎の風潮に乗せられ、世間体を意識して家の購入に踏み切る人も一部存在しますが、そのような他者によって作られたイメージに自分の行動が支配されている限りはいつまでも搾取される側から抜け出せません。

ローンを完済する前から“自慢のマイホーム”などと言って他者に披露する行為も完全に愚行です。そもそもローンで購入した住宅はそのローンを完済するまでは自分の所有物ではなく、それまでの住宅の抵当権は金融機関にあるのです。

したがって、マイホームを購入する際は事前に今述べた住宅ローンの性質とその契約に伴う事柄はしっかりと理解しておくべきです。ローンを組んで所有するマイホームは“負債”と言えます(ローン完済後も全くお金がかからないわけではなく、所有しているだけで固定資産税という税金は毎年払うことになります)

ただもちろん、それをしっかり理解した上で「それでもマイホームを所有したい!」と思うのであれば、それは各個人の自由です。価値観は人それぞれですので「負債の側面があるとわかった上で、それでも自分の子供に家を残すために持ち家を購入したい」という人も中にはいると思います。

ローンを組んでマイホームを購入すること自体に問題があるのではありません。問題なのは「住宅ローンの性質を知らず、持ち家が負債であるという認識もなく、マネーリテラシーのないまま謎の世間体に左右されて安易に住宅ローンを組み、結果としてお金に苦しめられること」にあります。

逆に、住宅ローンを組んでもお金に苦しむことなく自分にとって満足した生活ができるのであれば当然何も問題はありません。

マイホームを購入した上でお金に困らない生活をする際に重要なことについては、過去のこちらの記事「持ち家と賃貸どっちが得?不動産選択で負債を購入しないことよりも大事なこと」でかなり細かく解説をしてますのでぜひ併せて読んでいただければと思います

車(自家用車)


自家用車を購入すると、ガソリン代・車検代・自動車保険料・自動車税・駐車場代など何かとお金がかかります。ローンで購入した場合には当然毎月その返済にもお金がかかります。

所有しているだけでお金がとられるという点では、やはり車も“負債”の側面が強いと言えます。

では、何かとお金がかかる車をなぜ所有しようとする人がいるのか…?これについては各々の居住地によって理由が異なります。

郊外に住む人にとっての車


まず、交通のインフラが整っていない郊外の住民にとっては車は生活必需品です。最寄りの駅からも遠く離れた場所に住んでいる彼らは、家から一番近くのスーパーに買い物に行くのにも車を走らせる必要があります。

そんな彼らが車を購入する一番の理由は言うまでもなく「生活に必要だから」です。いかに車が負債であると言えど、郊外に住む人は車を所有せざるを得ないのです。

ただ「そもそもなぜ今郊外に住んでいるのか?」を突き詰めてみると、ここに思わぬ落とし穴が潜んでいることがあります。今郊外に住んでいるのは、過去に「新築の広い一軒家がほしい」と思ったことがきっかけであるケースが意外にもあるのです。

新築の広い一軒家を所有するとなると、すでにインフラが整備されている都会の場所にはあまり建てられません。駅から近い中心地にはすでにビルやマンションが建っており、場所が確保できないからです。そのため、新しく広い家を建てようと考えるのであれば必然的に中心地から離れたところに建てることになります。つまり、結果的に郊外に住むことになるケースが多いのです。

では「そもそもなぜ新築の広い一軒家がほしいと思ったのか?」ということまで突き詰めると、それこそが先の項目で挙げたマネーリテラシーのなさに繋がります。古くからある謎の風潮に乗せられ、世間体だけを意識して家の購入に踏み切っていたことが判明するのです。

つまりこの場合、住宅ローンの性質を知らず、持ち家が負債であるという認識もなく、マネーリテラシーのないまま広い家を購入し郊外に住むことになったことで、結果としてマイホームだけではなく車というさらなる負債まで所有せざるを得なくなっているのです

このような、住宅と車という二つの高額商品をかけ合わせた販売側のクロスセル戦略に見事にハマってお金に苦しんだ生活をしている人もいますので、そうならないようマネーリテラシーはしっかりと身につけておきたいところです。すでに家を購入して郊外に建てている場合には今更なす術はないですが、そうではない人は家や車を所有する前にこの事実は知っておきましょう。

都心に住む人にとっての車


一方、交通のインフラが整備されている都会の住民にとっては車は生活必需品ではありません。日用品の購入は徒歩圏内で済みますし、遠方への移動も電車で十分です。たまに車が必要な状況になっても自家用車を所有するよりタクシーを利用する方がトータルでは安く済みます。休日にドライブに出かけたい場合であればカーシェアリングを利用する方が確実に安いです。

そんな彼らが車を購入する理由としては次のものが挙げられます。

①「車そのものが好きだから」
②「カーシェアリング等のコスパを知らないから」
③「高いステータスを誇示したいから」

このうち、①に該当する場合はその人の趣味の領域なので強く改めるべきとは言いませんが、それでも改造費にお金を費やし続けるような浪費は避けるべきです(経済的な面を考えるとそれはもはや悪趣味です)。また、もし今の自分のキャッシュフローでお金がたまらない状態なのであれば車を一旦手放してみるという選択肢も持っておいた方がいいです。

そして、②の状態や③の意識がある場合は今すぐ改善すべきと考えています。お金の使い方で失敗する要因のツートップが「無知」と「見栄」だからです(②は無知の状態、③は見栄を張る意識です)

「少し調べればわかるような節約情報も知らない」という状態でお金に余裕を持たせた生活をすることは難しいです。また、余裕のないうちから「人から羨ましがられたい」という感情を原動力にして経済的に裕福になることも極めて困難です。車で自分の価値が決まると考えること自体が愚かなことであると肝に銘じるべきです。

いずれにしても「車自体は負債であり、所有しているだけでは経済的なリターンを得ることはできない」という認識はしっかりと持っておきましょう。

負債はモノだけではなくヒトも…


ここまで中流階級の人が所有する代表的な負債を二つ紹介してきましたが、これはほんの一部でしかありません。そして実は、彼らがよく抱える負債はここで紹介したモノだけではなく“ヒト” も含まれます。

もう一度言います、負債にはヒトも含まれます。

普段自分が何気なく関わっている人も間接的な負債になり得るということです。これは「普通に仕事をしていて一定の稼ぎもあり、交友関係もそれなりにある」という中流階級特有の負債と言えます。

では、具体的にどのようなヒトが自分にとっての負債になり得るのか…?

メルマガ内で不定期に案内している講座の中では、中流階級特有の「モノとしての負債」だけではなく「ヒトとしての負債」の特徴も明らかにしています。

これを理解することで経済面におけるボリュームゾーン(その他大勢)からの脱却にも役立つと思いますので、興味があればぜひ以下のページからメルマガでの情報も受け取ってほしいと思います。

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