信用創造とは?銀行券誕生の歴史と預金を生む仕組みをわかりやすく解説
今回は「銀行が創り出すお金の幻想」について書いていきます。

この記事を読むことで理解できること
◎銀行券(紙幣)どのようにして誕生したのか?
◎現代ではお金はどのようにして生まれるのか?
◎現代の銀行が無からお金を生み出している「信用創造」の仕組みとは?

上記を明らかにした上で「結局、お金って何なの?」という問いに対する結論も出しますので、じっくりと読んでほしいと思います。

では、まずは上記内容についてまとめたこちらの動画からご覧下さい。


こちらのアニメーション動画を視聴してから以下の文章を読むと、よく理解できると思います。

紙幣(銀行券)の起源


「私たちが普段使用している紙幣は、どのような経緯で誕生したのか?」

まずはこの紙幣の起源から明らかにしようと思います。

金細工師(ゴールドスミス)の預かり証


時は中世ヨーロッパの大航海時代、人類のお金は金・銀・銅などの金属や、それを素材として鋳造した硬貨でした。いわゆる「金属貨幣」がお金として流通していたのです。

そんな大航海時代には、貿易などの商業で大成功を収め、莫大なお金を手にする富豪が現れるようになりました。しかし、大きな富を得たは良いものの、彼らには一つ懸念点が出てきます。それは「貿易で獲得した大きな財産をどのように安全に保管すれば良いのか?」ということです。

そこで富豪たちが目をつけたのが、金細工師(ゴールドスミス)と言われる職人です。

当時、金細工師は貴金属の細工や加工を仕事にしており、国王から貨幣の細工も任されていました。その大切な貴金属を扱う仕事柄、彼らは貴金属を安全に保管するための堅牢な金庫を所有していたのです。

「そうだ!あの頑丈な金庫の中に、自分の大事な財産を保管してもらおう」

そのように考えた富豪たちは、金細工に自分のゴールドを預けます。そして金細工師もそれを了承し、ゴールドを預かったことの証明書としての預かり証を発行し、それを渡しました(この預かり証を「金匠手形」と言います)。


これにより、ゴールドを預けた人たちは、預かり証を持って金細工師の所に行けば必要な時に必要な分だけゴールドを引き出すことが可能になったのです。

そして時が経過し、徐々に「必要ある度にわざわざゴールドを引き出しに行く」という手間が億劫になってきます。すると、今度は次のように考える人が現れました。

「わざわざ自分が金細工師のところに行ってゴールドを引き出しに行かなくても、この預かり証があれば一定のゴールドと交換可能だから、この預かり証で商品を購入してもいいのではないか?」


つまり「金属貨幣を通じてものを購入するよりも、預かり証を通じて購入した方がより効率的だ」ということに気づいたのです。この時点で、預かり証は「他人への譲渡が可能なお金」として機能するようになりました。

これが、銀行券の原型です。いわば紙幣の原型なのです。

「この預かり証を持ってれば金細工師がゴールドと交換してくれる」という、その金細工師への信用を皆で共有し「預かり証はゴールドの同等の価値がある」と皆が見なすことで、預かり証というただの紙きれがお金として機能するようになったのです

実態のない「無」から生み出されたお金


そのような経緯で、市場の様々な取引が預かり証を通して行われるようになると、預かり証だけで経済が回っていくことになります。すると「金細工師の金庫に預けられているゴールドがほとんど引き出されない」という現象が起こることになります。

そこで、金細工師はあることを思いつきます。

それは「このまま自分のもとに預けられたゴールドが引き出されない状態なら、このゴールドの一部を第三者に貸し出してもいいのではないか?」ということです。一気に全て引き出されることはないのを良いことに、本来他人に所有権があるゴールドを利息付きで第三者に貸し出し、その利息で儲けようということを考えたのです。


さらに、これに味をしめた金細工師は「預かってるゴールドではなく、初めから自分で新しい預かり証を発行してそれをお金に困ってる人に貸そう」ということも思いつきます。「自分が発行する預かり証には価値がある」という市場の共同幻想を利用し、完全に何もないところお金(預かり証)を生み出して、利息分の利益を得ようとしたのです。

そうすると、「預かり証の総発行金額」は「金庫に預けられた金の総額」を大きく上回ることになります。本来、両者の額はイコールであるのが普通です。しかし、金細工師の狡猾な計らいにより、何もない・無から預かり証が生み出されたことで、市場に出回る預かり証の額だけが膨らんでいくことになったのです。

もうお分かりの通り、この新たな預かり証としてのお金は、完全に幻想です。その預かり証に裏付けられる物理的なゴールドは、ハナから存在しないのです。

お金は貸し借りのプロセスを通して無から生まれる


このように、紙幣は何もない「無」から生まれるという現象が起きました。プロセスとしては、金細工師が無から預かり証を作成しそれを人に貸し出すことでお金が作られたことになります。

逆の立場から言うと、第三者が金細工師からお金を借り入れたことでお金が作られたとも言えます。この場合、金細工師からお金を借りる人が誰もいなければ新たなお金が作られることはないのです。

したがってこの場合「貸し借りをすることによって新たなお金が生まれる」ということが言えます。

現代の銀行がお金を生む「信用創造」の仕組み


そしてこの「貸し借りのプロセスでお金が生まれる」というシステムは、現代の銀行も採用しているものです。このシステムは、現代では「信用創造」と言われます。今の銀行も、貸し借りのプロセスを経ることで、物理的に何も無いところからお金を生み出しているのです。

具体的に言うと、今の「銀行の利用者の預金残高の総額」も「実際に銀行に預けられたお金の総額」を遥かに超えています。実際にあるお金より、通帳に記帳されている数字の総額の方がはるかに大きいのです。

なぜなら先ほどと同じで、銀行が第三者にお金を貸し出すことで預金が作られるからです。言い換えると、銀行側が第三者に自分のところの銀行口座を作らせ、その口座の通帳に数字を記帳するだけで預金が作られたことになるのです。

この場合も先ほどと同様、その数字に裏付けられる物理的なお金が存在するわけではありません。銀行がお金を貸したことで(誰かが銀行に借金をしたことで)新たなお金は作られていくのです。

結局、お金とは何か?


では、これをもとに「お金とは何なのか?」を考えると・・・

お金は、銀行を通して貸し借りをすることで生まれるものです。つまり現代のシステムをもとに考えると、お金の起源は「銀行での貸し借り」です。

ただし今の銀行を考えればわかりますが、銀行は誰にでも無条件お金を貸すことはしません。借り手に返済能力があるかどうかを審査し、その審査に応じた額のお金を貸すことになります。

つまり、銀行がその人にお金を貸し出したとすれば、それはその人に返済能力がある(ちゃんと利息をつけて返してくれる)という「信用」があることになります。返済能力という点での「信用」があるから貸し出しが生まれ、その貸し出しによって新しい預金としてのお金が作られるわけです。そのように考えると、やはり「お金とは信用である」という見方は確実にできます。

また、その借り手は借り入れができた時点で「後に利息をつけて返すべき」という負債を負うことになります。信用を与えられたと同時に負債を負うのです。そして先ほど言ったように、その借金としての負債を負うことでお金が作られることにもなるので「お金とは(信用を担保にした)負債である」とも言えることになります。

あるいは、その信用と負債を目に見える形で示した「帳簿上の貸し借りの記録がお金である」とも言えるのです。

◎お金とは、信用である
◎お金とは(信用を担保にした)負債である
◎お金とは(信用と負債を目に見える形で示した)帳簿上の貸し借りの記録である

これが実態のないお金の真実です。銀行からお金を借りた時、帳簿上に「ある」はずのお金は物理的には「ない」のです。

「銀行が創り出すお金の幻想」のまとめ


「お金の幻想」のまとめ
現代では、お金は銀行が第三者に貸すことで(銀行から第三者が借りることで)作られる。(※銀行からお金を借りる人がいなければ、お金が作られることはない)

具体的には、銀行は借り手に対して自分のところの銀行口座を作らせ、その口座の通帳に数字を記帳するだけで、預金としてのお金が作られたことになる。

その通帳上に「ある」はずのお金は、物理的には「ない」(銀行はもともと「ある」ものを貸し出しているのではなく「ない」ところから作っている)

銀行でお金の貸し借りをするにあたっては、銀行は借り手側(の返済能力)を「信用」し、借り手側は銀行に対して「負債」を負う。その「信用」を担保とした「負債」が発生すると、新たなお金が作られる。

結論、お金とは「信用である/負債である/帳簿上の貸し借りの記録である」と言える。

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