◎「持ち家vs賃貸」論争の最大のポイント
◎「お金に困らない生活をするために住宅を選択する上で本当に重要なこと」
後半ではその「持ち家vs賃貸」論争を踏まえ、ビジネスにおいて非常に重要な考え方もシェアしますので、じっくりと読んでほしいと思います。
それでは、まずは「持ち家vs賃貸」論争に関するこちらの動画からご覧ください。
以下、この動画の内容をもとに解説を加えていきます。
目次
なぜ「持ち家vs賃貸」で論争になるのか
まず、「持ち家がいいのか・賃貸がいいのか」というテーマについて、
◎「なぜ議論されたまま、いつまでも満場一致の明確な結論が出ることがないのか」
このあたりの理由や背景から説明していきます。
理由①「家は多くの人に関わる超高額商品」
なぜ「持ち家vs賃貸」のテーマは長きにわたって議論され続けてきているのか?
その一つ目の大きな理由は、住宅というものが多くの人に関わる超高額商品だからです。
住宅にかかるトータルの支出額というのは、人生における支出全体の中でもかなり大きな割合を占めます(ちなみに人生の4大支出は「住宅・車・保険・教育」と言われています。)大きなお金がかかるということは、人生における重要度が高い買い物ということなるので、それだけ大きな議論を呼ぶということです。
これが仮に数千円程度の買い物であれば、そこまで激しく議論がなされることはないと思います。実際、5000円の買い物で支出額を10%削減しても、500円しか節約できません。しかし、5000万円の買い物で同じ10%を削減すれば、500万円節約できることになります。
経済的合理性を考えた場合、これを重視するのは当然の行為です。全体の負担額を減らすためには金額が大きい商品での支出の割合を削るのが最も有効なので、高額商品である住宅はそれだけ人生における重要度が高くなるのです。
なお、「超高額商品である」こと以外に「多くの人に関わる」ことも、広く議論されるポイントです。仮にどれだけ高額な商品でも、多くの人の日常に結びつきのない・いわゆる世俗からは離れた商品であれば多くの人を巻き込んだ議論にはなりません。人は、自分にとって関係ないものを議論しようとは思わないからです。
ただ、住居というのは基本的に普通に生活する上ではほとんど全ての人に欠かせないものです。このように、多くの人の日常に結びついているという部分も広く議論がなされる要因になるのです。
理由②「家の購入は古い価値観や世間体と結びついている」
二つ目の理由として、家の購入自体が古くから存在する価値観や世間体と深く結びついていることも、「持ち家vs賃貸」論争が波紋を呼ぶ要因になっていると考えられます。
日本では古くから「自分を家を持ってこそ一人前の証だ」「結婚して子供が生まれたら家を買うのが当たり前だ」という風潮があり、そのような価値観はいまだに根強く残っています。これは特定の業界によって刷り込まれた非合理な価値観なのですが、現在でもそのような他人の目や世間体を気にして、多少無理をしてでもローンを組んで家を購入するという人はいるのです。
そういった理由で住宅の購入に踏み切る人は「周りから一人前だと思われたい」という理由で行動する人なので、いわば「自分の立場を認めてほしい」という気持ちが強いです。
そのような人は、仮に自分が不利な選択をしたとしてもそれを認めたくないという思いが先行します。仮に経済的合理性から考えて損する決断をしたとしても、何かと理由をつけて抵抗したり、世間体から生じた自分の立場の正当性を必死に主張したりするのです。
例えば、「結果的にトータルの負担額は大きくなったけど、家を持っていることで周りからの信用が得られて人間関係が円滑になった。信用経済と言われる現在の状況を考えると、家は買ったほうが得だ」など、金額には現れないメリットを事後的に取り上げることで自分の立場を守ろうとします。
すると、今後はそれに反対する人が「家を持っていることを理由に他人を信用するような人と付き合うって、どんな不毛な人間関係気づいてるの?」などと返し、どんどん論点がずれていきます。立場を重視して後付けで自分の立場の正当性を主張する人が出てくると、今度はそのような立場重視の人をなんとしてでも論破してやろうという人も出現しだし、どんどん論点がすり替わって本来の議論の目的は忘れられ、やがて論争はカオスな状態になるのです。
このように、基本的に「合理性重視」の姿勢で一つの議題に対する答えを導き出そうとしているところに、このような「立場重視」の人が議論に入ってくると、もうその議論が解決策を導き出すことはなくなります。
「経済的合理性を突き詰めた結果、結論を導き出そうとしている」人と、「個人的立場に沿った結論ありきで、後から合理性を無理やり作りあげようとしている」人とでは、前提条件が違うので議論が噛み合うわけはないのです。さらにそこに個人的な感情も乗っかってきて「なんとか相手を論破してやろう」という領域にまで発展すると、もう完全に収集がつかなくなります。
そもそも、経済的合理性だけを突き詰めても、今後の経済状況によって持ち家と賃貸どちらが得かは変わってくるのですが、そこに個人的立場重視の姿勢や好戦的な感情が入ってくると、余計議論がわけわからなくなるのです。
結果、「持ち家vs賃貸」論争は、長く議論をされ続けているものの永遠に結論を導き出すことのない議題と化すのです。
結局、持ち家と賃貸どちらがいいのか
それでは、結局、持ち家と賃貸はどちらがいいのでしょうか?
これに関してはすでに述べた通り、経済的合理性だけを突き詰めても一概に答えを出すことはできません。特定の立場を排除し、完全にロジックを重視して金銭的なトータルの負担額だけを考えても、今後の経済状況によってどちらが得か・どちらが損かは変わってきます。
そもそも、経済的合理性を考えた場合、「持ち家か賃貸か」という分類の仕方自体が合理的ではないのです。
経済的合理性を重視するのであれば…
経済的合理性を重視し、金額的な損得だけを考えるのであれば、取得する不動産の将来の資産価値がどれくらい上がるのか・あるいは下がるのかで損得は決まってきます。つまりは「経済状況の予測による」のです。
購入した不動産の取得価額と金利やその他持ち家にかかる費用の合計が、賃貸で払い続けた時よりも安くなるのであれば、持ち家として購入した方が得になります。一方、不動産の価値が著しく下がって、のちに売却したとしても借金だけが残るのであれば、賃貸を選択していた方が得になります。
このように「どちらが得か損か」という議題が出た時に、明確に「こっち!」という答えを得たがる人がいるのですが、そのような人は他人が出した答えだけを聞いて安心したり・不安になったり・憤りを感じて行動する、思考停止状態の情報弱者です。
そのように自分で何も考えず、マネーリテラシーを身につけようとしないからこそ、この先もずっと金銭的に搾取され続けるのです。しっかりと前提条件をもとに、個別具体的なことは予測の数字を立てて自分で考えられる力をつけなければいけません。
個人的立場・価値観を重視するのであれば…
一方、個人的立場・価値観を重視するのであれば、まさに「人による」という回答につきます。
「どうしても自分の家を持ちたい」という人もいれば「気軽に引っ越したりできないから持ち家はいらない」という人もいます。その人が何を重視するかは基本的にはその人次第であって、自分の持っている価値観は他人に押し付けるものではありません。
たとえ自分と価値観の違う人が出てきても、それは見解の相違に帰着するのであってそれ以上建設的な議論にはならないのです。
もちろん、考え方をシェアするという意図で他者にアドバイスをするのはいいと思いますが、アドバイスを超えた領域でお互いの価値観を主張しあって論争している時点で、そのような人は自分の立場を認めて欲しいだけの承認欲求の塊である可能性が高いです。
ほとんどは経済的合理性と個人的価値観の合わせ技
そして現実的に、ほとんどの場合は、この経済的合理性と個人的価値観の両方を踏まえた上で自分が納得のいく選択をするはずです。
「新築一戸建てが良かったけどまだそこまでは負担できないから今はこっちを選ぼう」とか、「子供に家を残すことは譲れないから多少負担してでもこっちを選ぼう」とか、新築か中古か、マンションか一戸建てか、ということも踏まえて決定することになります。
要は経済的合理性と個人的価値観を考慮し、様々な条件を踏まえた上で複数ある選択肢の中から自分が納得いく決断をすれば、基本的にはそれでいいのです。大きな買い物なので慎重に考える必要はあるものの、本来他人と争うようなことではないのです。
私は、過去に書いたこちらの記事「お金に支配されて奴隷となる人とそれを利用するお金持ちの違いとは?」で「持ち家は負債である」と言っていますが、たとえ負債であっても、それをわかった上で「それでも家を自分のものにしたい」と思って持ち家を購入し、結果的に経済的に苦しむことなく満足した生活ができているのであれば、それで何も問題はないと言えます。
持ち家か賃貸かを選択する上で問題なのは…
では、結局何が問題なのかというと、それは「お金の効果的な稼ぎ方と賢い使い方を勉強せず、いわゆるマネーリテラシーのない状態で、世間体や価値観だけで持ち家の購入決定に踏み切ること」です。
先ほど言ったように、経済的に苦しむことなく満足した生活ができているのであれば問題はないのですが、現実問題として、家の購入がきっかけにお金に支配された生活を余儀なくされる人は結構多いです。
そしてそのような人に共通しているのは、自分でお金を稼ぐ力も、稼いだお金を残す知識や知恵もないということです。
お金の稼ぎ方と使い方をクリアしていなければ、家の購入をきっかけに支出と収入のいたちごっこから抜け出せない「お金の奴隷」になり下がってしまうことが多いのです。
不動産を選択する上で本当に重要なこと
不動産購入の決断をする上で最も重要なのは、
②お金の使い方を学び、無駄な支出を抑えられるようになること
この二つです。
この二つができれば、支出と収入のいたちごっこにはまりそこから抜け出せなくなることはなくなります。その状態になった上であれば、自分の価値観を優先させて持ち家を購入したとしても、それによって経済的に困窮することはありません。
そして、この①と②をクリアするためには「自分でビジネスができるようになる」ことが一番です。実は、自分でビジネスができるようになると、お金の「稼ぎ方」の面はもちろんのこと、「使い方」の面でもレベルアップすることができるのです。
では、なぜそのように言えるのか、以下で詳しく解説しておきましょう。
自分でビジネスができるようになる
では、自分でビジネスができるようになる(マーケティングがわかるようになる)というのがどういうことかを説明すると・・・
例えば、「車を普及率を伸ばしたい」と思っている自動車販売業者がいたとします。
この時、その販売業者は「車好きな層にどうアプローチをするか」ということよりも、基本的には「今車に興味を持っていない人に興味を持ってもらうためにはどうすればいいか」を考えることになります。
ただ、もともとその商品に興味関心を持っていない人に購入してもらうというのは、実際問題として結構難易度が高いです。これはどんな商品にも言えることですが、その商品自体に興味を持っていない人というのは、販売側がどれだけ頑張って魅力を伝えようとしても基本的に見向きもしません。
そのような時、一つの考え方として「商品の持つ魅力を伝えて好きになってもらう」のではなくて「商品自体を生活必需品にしてもらう」という考え方は一つの有効な手段です。
この場合であれば、車に対して「好き」という認識を持ってもらうのではなく、別にとりわけめちゃめちゃ好きではなくてもいいので「生活に欠かせないもの」という認識を持ってもらうのです。
家と車の最強クロスセル戦略
では、車を生活必需品だと認識してもらうにはどんなアプローチが有効なのか・・・
ここから住宅の話が絡んでくるのですが、まず、交通のインフラが整っている都会に住んでいる人にとっては、車は必要ではありません。
もちろん購入するかどうかは個人の自由ですし、車が好きであればそれを買うこと自体には何も問題はありません。ただ少なくとも、郊外ではなく駅から近い都市に住んでいるのであれば、車は生活をする上で必ずしも必要なものではない場合が多いのです。
しかし、これが交通のインフラが整っていない・駅から離れたところにある郊外と言われるような地域に住んでいる人にとっては、話は別です。
中心地から離れたところに住む人は、スーパーに買い物を出かけるだけでも車が必要になってきたりすることはありますし、電車が通る本数が少なくて一本逃すだけで30分遅れたりすることもあるため、結果的に通勤にも車が必要になることもあります。家族で住む場合には夫婦で一台ずつ必要になる場合もそこまで珍しくはありません。
つまり、車は都心に住む場合には必要なものにならない場合が多いのに対し、郊外に住む人にとっては生活必需品になることが多いのです。
そのような現状を考えると、車のシェア率を伸ばしたい販売業者としては、多くの人に「郊外に住むことがいいことだ」と思ってもらえれば、本来車に興味を持っていなかった層にも車が必要だと思ってもらうことができ、結果として車のシェア率が上がることになるのです。
なので、あの手この手を尽くして「郊外の自然豊かでのどかな地域に住むことで幸福度が上がる!」とか「自然に恵まれた場所に新築一戸建てを立てることこそステータスだ!」などと思ってもらえれば、その自動車販売業者の目標は達成しやすくなります。
特に新築一戸建てっていうのはポイントです。インフラが整備されている場所にはすでにビルとかマンションが建っているので、新しく・広い家を建てるとなると、中心地から離れたところに建てることになることが多いのです。つまり、結果的に郊外になることが多いということです。
(もちろん、実際このようなことをやっているかどうかはわかりません。ここではマーケティングにおける一つの考え方を紹介しているということで理解してもらえればと思います)
そして仮に、住宅の販売元と自動車の販売元がタッグを組んでいたとすれば、これは最強のクロスセル戦略です。
クロスセルとは、たとえばハンバーガーを購入した客に「ご一緒にポテトもいかがですか」と合わせ買いを推奨することで、全体の売り上げを上げる手法のことを言います。この場合、家を購入した人に対して「ご一緒に車もいかがですか?」とわざわざ言わずとも、自然に必要だと思うことで超高額商品の合わせ買いを顧客自らがしてしまう、最強のクロスセル戦略と言えます。
自分でビジネスができると、このようなマーケティングの視点を養うことができるようになるのです。
お金の奴隷からの解放につながる視点
こういった視点がもてると、ただただ新築一戸建てに憧れているという理由だけでその家を購入したりすると、とんでもない結末を迎える可能性があることは事前にわかると思います。
新築一戸建てがほしいという個人的価値観だけに基づいてローンを組んで家を購入し、さらに後から車も必要だということも気づいて夫婦で一台ずつ自家用車も購入するということになると、毎月・毎年の出費はそれだけで結構な金額になります。毎月の住宅ローンだけでなく、車に付随する自動車ローン・ガソリン代・税金・保険料など様々かかるため、予想以上に大きな負担になるのです。
すると、毎月のローンの支払いだけで、その月に稼いだお金のほとんどがなくなってしまい、毎月ローンの支払いに間に合わせるために時間を奉仕して働くだけの状態から抜け出せなくなります。
これは、マーケティングの視点がもてれば事前に自分で気づくことができるのですが、その視点をもっていなければ気づけないことが多いのです。だからこそ、自分でビジネスができるようになると、お金の稼ぎ方の面だけではなくお金の使い方の面も強化できるということが言えるのです。
したがって、支出と収入のいたちごっこを繰り返して苦しむような状態にならないよう「しっかりとお金の勉強をして自分でビジネスができるレベルになりましょう」というのがこの記事の結論になります。
「持ち家vs賃貸」論争のまとめ
それでは、最後にこれまでの内容をまとめておきます。
◎持ち家と賃貸どちらがいいかに関しては、一概に結論を出すことができない(経済的合理性と個人的価値観を鑑みて自分で決めればいいことであり、アドバイスを超えた領域で他者との論争に参加している時点で、お金に支配される側になる可能性が高い)
◎問題なのは、お金の「稼ぎ方」や「使い方」を勉強をせずに、いわゆるマネーリテラシーの低い状態のまま、世間体や価値観だけを優先して購入を決定すること。
◎マーケティングを施す側の視点を強化して自分でビジネスができるレベルになると、「お金を稼ぎ方」の面でも「お金の使い方」の面でもレベルアップすることができる。
ぜひ今後のご自身の活動に役立てて下さい。
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