今回は「お金と運」というテーマで話をしていきます。

この記事を読むことによって「大きなお金を手にすることができる人は『運』というものどのように捉えているのか」を理解することができるようになります。

そしてその上で、「これから自分が大きなお金を手にしようとするにあたって、『運』と『実力』の二つをどのように位置付けて活動していけばいいのか」もわかるようになりますので、しっかりと最後まで読んでほしいと思います。

それでは、まずは「お金と運」に関して解説したこちらの動画からご覧ください。


以下、この動画の内容に沿って解説していきます。


運と実力


まずは「運と実力」について、次のような具体的な場面を設定した上で考えていきたいと思います。


現在受験勉強中のAくんは、自分の今の学力を測るため、模擬試験を受ることにしました。

その模擬試験当日の英語の時間帯のこと・・・A君はあることに気がつきました。その英語の長文読解問題で提示されていた文章が、なんと、過去にAくんが読んだことのある文章と全く同じものだったのです。

当然、過去に読んだことがあるA君にとっては、あらかじめその文章の内容もわかっています。なので、A君は一から英文を読解する必要がありません。文章の内容をすでに把握した上で問題に解答すればいいので、他の多くの受験生よりも好条件で(簡単に)問題を解くことができます。

そしてその英語の模試を受け終わった後、A君は非常に満足そうに次のように言いました。

「今回の模試の英語長文の題材、読んだことある文章だったから簡単に問題解けたわー!」

高得点が取れたことを確信し、高い偏差値が表記された模試の帳票が返ってくるのを楽しみに待っているのです。


さて、このような状況を想定すると、あなたはA君に何という言葉をかけるでしょうか?

おそらく、多くの人は次のような意見をもつと思います。


「今回の模試で読んだことのある文章が出たのはたまたまだろ!」
「たとえそれで高得点が取れたとしても、それは実力で問題を解いたことにはならないから意味はない…」


要するに、実力によって成果を出すことを重視し、運に恵まれて成果を出したことを評価しないという立場です。

確かに、過去に読んだことのある文章が題材として出てきたのはたまたまです。試験本番でも今回の模試と同じような状況になる可能性は極めて低いため、自分の学力を試す模試としては今回の結果はあまり参考にならないかもしれません。

また、そもそも試験においては「初見の題材をいかに制限時間内に正しく処理できるか」という力が求められるため、その力によって成果を出すことが大事だと考えるのは至極まっとうなものです(逆に「実力をつけなくていい」などという人はいないと思います)

しかし、(もちろん実力をつけることは重要なのですが)このように実力と運を明確に分断して運による成果を完全に切り捨てようとする考え方には、実は大きな落とし穴が潜んでいます

そしてここでは「受験で志望校に合格する」ことを目標にした場合の例を取り上げましたが、「自分で大きなお金を生み出せるようになる」ことを目標にした場合は、なおさら運による成果を完全に切り捨ててしまう考え方は危険と言えます。

大きなお金を生み出せる人というのは、運によって成果を出したことを軽視することはないのです。

では、以下では「なぜそのように言えるのか」というのを詳しく見ていきましょう。


運と実力を切り離す人の盲点

盲点①「実力の向上と運の向上の相関性」


まず、先ほどの例の場合、運と実力とを完全に切り離す人は次のような考えを持っています。

◎「運」……試験で既知の英文が提示され、一から読解することなく高得点が取れる
◎「実力」…試験で初見の英文が提示され、それを一から読解した結果高得点が取れる

このように考え、たまたま読んだことのある英文が出されたことを意味がないとして切り捨て、実力をつけることのみを重視しているのです。

しかし、このような考えはあまり合理的とは言えません。

なぜなら、英語の実力を本格的につけようと努力するのであれば、そのために積極的に様々な英文に触れて読解力を強化していくことになるわけで、勉強の中で様々な英文に触れるということは、結果として試験本番で読んだことのある文章に遭遇する確率も上がることになるからです。

もちろん、それでも過去に読んだことのある文章が出てきたのは偶然です。努力の結果必然的に起こったことではありません。ただ、実力をつけようと努力をして様々な英文に触れている人は、大して努力していない人よりも同じ文章に出くわす確率が上がるというのは事実です。

そして、自分ではコントロールできないものの「自分にとってプラスの状況になる確率が上がる」ということは、つまりは「運が良くなる」ということです。

したがってこの場合、実力というものを重視し、その実力を向上させようと努力していく過程で、結果として運も向上することになるのです。


これは、ビジネスで成果をあげる場合であっても同様です。

例えば、「自分の作った作品がたまたま海外のインフルエンサーの目にとまり、それがSNSで拡散されて、瞬く間に自分の作品が有名になり、それをきっかけに多方面からいろんな仕事のオファーが来るようになった」という状況を考えてみましょう(実際、このような人はいます)

この場合、自分の作品が海外のインフルエンサーの目に留まり、SNSで拡散されたこと自体は偶然です。自分で完全にコントロールできることではないので、たまたま・運よく多くの人に知られることになったことになります。

しかし、これを「たまたまだから参考にならない」などと言っている人には、今後も大きなビジネスチャンスがやってくる可能性は極めて低いです。

この場合も、良い作品を世の中に送り出そうと努力しているのであれば、その過程で「いろんな作品を作り・ネット上に公開し・世間の反応を見て改善を加えていく」作業を繰り返していくことになります。力をつけるために努力するというのは、そういった作業の繰り返しです。

そして、そのような作業を繰り返すということは、徐々にいろんな人の目に触れる機会が増えることになるので、結果的に自分の作品が影響力のある人の目に止まる確率も上がることになるのです。

この場合も、それが偶然であることは変わりはありませんが、努力を続けていく過程でプラスの状況になる確率が上がることは事実です。自分の実力を向上させようと努力していく過程で、結果として運も向上することになるのです。

こういった点からも、大きなビジネスチャンスをつかんだり、大きなお金を生み出せる人というのは、運というものを軽視することはありません。運を大事にするということは、極限まで実力を高めようと努力をしていることの裏返しとも言えるのです。

これまで「運によって成果を出すことが参考にならない」と考えてきた人は、この辺りの意識を変えてみると、自分の状況もこれまで以上にプラスに転じていくことになるかもしれません。

盲点②「安全性・確実性を重視し、リスクを遮断している」


また、運と実力を完全に切り離し、運による成果を切り捨てる人は「そんなのは実力ではない」という言葉をよく使います。

しかし、このように「それは実力ではない」とはっきりと判断できる時というのは、そもそも「何をもって実力と言えるのか」という実力の評価基準がすでに明確になっているものを対象にしている場合にすぎません。

例えば、すでに例に挙げたような「英語の試験で高得点を取る」ことを目指す場合には、その実力の評価基準は、すでにある程度明確になっていると思います。

一定数の単語や文法を覚えたり、構文を頭に入れたり、論理的思考力や情報処理能力を鍛えたり、欧米人独特の論の展開の仕方を学んだり・・・と、様々やるべきことはあるかもしれませんが、いずれにせよ「何をもって実力と言えるのか」「実力をつけるために何が必要か」というのは、この場合ある程度明確になっていると言えます。

しかし、自分の力で大きなお金を生み出せる人というのは、そのようなすでに評価基準が定まっている既存の分野だけを対象にするということはありません。大きなお金を生み出せる人は、何をもって実力と言えるのかがまだわからないような未知の分野にも積極的に挑戦しようとするのです。

もう少し詳しく述べると・・・

すでにこちらの記事「普通の会社員がお金持ちになる方法は?給料だけでは富豪になれない理由」で述べたように、資本主義経済の中で大きなお金を手にすることができるのは、投資家や、その投資家を兼ねている経営者です。

投資家は、リスクをとってまで不確実性の高い・未知の案件に投資をします。リスクをとるということは、その結果は自分でコントロールできない運にも左右されるということです。そのようなリスクをとるからこそ、成功した際には大きなリターンを得ることができるのです。

もちろん、まともな投資家はその運を向上させるためにめちゃめちゃ努力します。有能なVC(ベンチャーキャピタル)なんかは、世界中を飛び回り、いろんなカンファレンスやイベントに出席して優れた投資先を探したり、一日中情報収集や企業の価値算定に時間を割いていたりします。

それに費やす労力や時間を考えると「投資なのに結局労働収入じゃん!」と言えるくらいのレベルで、めちゃくちゃリサーチをしてホームランを狙いに行こうとするのです。

しかし、どれだけ情報収集や企業価値算定に時間を費やしても、結果は運にも左右されることになります。つまり最大限の努力をした上で、あとは運に委ねるしかないのです。当然、そこには確実性などありません。

実力と運を完全に切り離し、運による成果を排除して確実性を重視するような人は、そのようなリスクをとることはできません。つまりそのような人は、その時点で投資家が手にするような大きなお金を得られる可能性を自ら遮断しているです。

また、経営者の中で大きくお金を生み出せる人というのは、他の人がまだ取り組んでいない未知の事業にも積極的に挑戦します。誰も参入したことがない分野を開拓するからこそ、成功した場合には大きなお金を手にすることができるのです。

そのような未知の分野においては、「何をもって実力と言えるのか」という実力の評価基準も明確になっていません。つまり、実力をつけること「だけ」にこだわりすぎている人は、その評価基準がすでに明確になっている既存の分野にしか見ていない可能性が高く、未知の領域で大きなお金を手に入れる機会を失っているのです。

このような点からも、大きなお金を手に入れるような投資家や経営者は、運による成果を完全に排除しようとすることはありません。むしろお金を持っている人ほど、努力をした上での運というものを大事にする傾向があります。

盲点③「実力が評価されないへの不満は雇われる側の心理」


さらに、実力のみで成果を出すことを重視する人の中には、実力のない人が評価されている現場を目撃すると、それを不満を抱きます。「なんであいつは自分よりも実力が低いのに周りから評価されているんだ!」と愚痴をこぼすのです。

しかし、自分で大きなお金を生み出せるようになりたいのであれば、この発想は捨てたほうがいいです。

「実力がある自分が評価されないこと」や「実力のない他人が評価されていること」に不満を抱く人というのは、その根底にたい「上の人間から正当に評価されよう」という意識があります。つまり、そのような不満を抱くこと自体が、雇われる側の発想になっているのです。

そのような発想を捨てて既存の枠組みから抜け出さない限りは、大きなお金を手にすることはできません。

前回の記事「妬み嫉みをなくすにはコレ!嫉妬心をなくしてお金を増やす効果的方法」で言ったように、自分で大きなお金を生み出せる人間というのは、他者が作ったルールの中にいつまでも居座り続けるということはせず、自分でルールを作るということをします。

運と実力とを切り離し、実力だけを大事にする姿勢には「実力のある人が評価されるべきだ」という言葉が見え隠れしています。そしてそのような言葉の裏には「既存のルールの中で他者から評価されたい」という意識が存在するのです。

このように、運による成果を排除して実力だけで成果を出そうとする人は、無意識のうちに、大きなお金を生み出せない土俵に立っている可能性があります。

すでに述べたように、大きなお金を手にする人は、運というものをとても大事にするのです。


お金と運に関するまとめ


それでは、これまで伝えた内容をまとめておきましょう。

実力を高めること自体は、言うまでもなく重要なこと

しかし、運と実力を完全に分断し、運によって成果を出すことを否定する姿勢には、大きなお金を手にする上では複数の落とし穴が潜んでいる

・「実力の向上」と「運の向上」との相関性に気づいていない
・ 確実性を求めるあまりリスクを取らず、大きなお金を手にする機会を遮断している
・ 実力を評価されることを期待するあまり雇われ側の発想になっている

大きなお金を手にすることができる人は、極限まで実力を高める努力をした上で、その実力ではカバーしきれない運というものを非常に大事にする(むしろ、運を大事にするということが、極限まで努力をしていることの裏返しになっている)

ぜひ今後のご自身の活動に役立てて下さい。