新型コロナウイルスと合成の誤謬「感染リスクvs経済破綻による損失」
今回は「うまくいかない時の心得」というテーマで書いていきます。

この記事では「物事がうまくいかずに苦境に陥っている時、そのマイナスの出来事すらも自分にとってプラスに変えていくための重要な考え方」を学ぶことができます。

では、まずはこちらの動画からご覧ください。


以下、この動画に沿って詳しく解説していきます。


合成の誤謬とは?



はじめに、今回の記事のキーワードでもある「合成の誤謬」という言葉を説明しておきます。

合成の誤謬とは、次のような現象を言います。

ミクロの視点で見れば好ましい(適切な)ことであっても、それが合成されたマクロの世界では好ましくない結果が生じてしまう現象

以下では、この具体的な例として、本記事執筆時点で世界的に問題となっている「新型コロナウィルス関連の対応」を取り上げようと思います。

コロナウイルス対策「ミクロ的視点では適切」


現在、日本国内におけるコロナウイルスの集団感染を抑制するために、政府は国民に対して自粛要請を出しています。大勢の人が集まるイベント開催の自粛を要請したり、あるいは不要な外出の自粛を要請をしたり、そういった一人ひとりに自主的な行動を促すことで、感染の拡大をできる限り抑えようという動きが出ています。

実際、国民一人ひとりが素直にその要請に応じるとすれば、ある程度感染拡大を抑制するという効果はあるはずです。感染が拡大しやすい状況はすでにわかっているので、その状況を作らないよう促することで、感染者やそれによる死者の増加もある程度は抑える効果はあると思います。

したがって、国民一人ひとりに自粛を促すという行為は、感染拡大を抑制するという(ミクロの)視点のみから見れば、適切な行為ということが言えます。

コロナウイルス対策「マクロ的視点では不適切?」


しかし、これをもう少し視野を広げてマクロの視点で見た場合、自粛を促す行為はあながち適切ではないと言える可能性が出てきます。

例えば、国民一人ひとりが外出やイベント開催を自粛することで、そのイベントの運営に携わる企業や特定のリアル店舗の売上は極端に下がります。現に中小企業の中には、それによってすでにキャッシュフローが完全に滞って倒産してしまったところもあります。売上がでないまま家賃などの経費だけが膨らんでいくと、体力のない企業はそれだけで資金がショートしてしまうことがあるのです。

仮にこのような状況が長期間続くとすれば、体力が持たずに倒産を余儀なくされる企業の件数はこれからも増えることになりますし、企業によってはそれを避けようと経費を削減するため、リストラや派遣切りや内定取り消しなどの措置を講じる可能性も出てきます。

そうすると、結果としてそれが失業率の上昇につながるのです。

そして「失業率が上がると自殺率も上がる」というのは厚生労働省のデータで明らかになっています。失業率と自殺率はシンクロするのです。したがって、これによって死者が増えてしまう可能性も十分に考えられることになります。

つまり、国民一人ひとりの自粛によってウイルス感染による死者は抑えられたとしても、それが続けば、経済的ダメージという別の原因で死者が増えてしまうことにもなりかねないということです。社会全体において後者の方が損失が大きいのだとすれば、そこには、部分最適を突き詰めても全体最適につながらない「合成の誤謬」が生じていると言えます。


全体最適化のために、部分最適を突き詰める必要はない



なお、この記事で合成の誤謬を取り上げて着目したいのは「部分最適を突き詰めても、全体最適につながるとは限らない」という点です。

これは逆の見方をすると「トータル的に見てプラスの方向に向かうのであれば、部分的にマイナスの出来事があっても構わない」とも言えます、結果的に全体が良くなるのであれば、一部分だけをプラスにすることに躍起になる必要はないのです。

これは、ビジネス一般(あるいはより広く言えば人生全般)において重要な考え方になります。

自分のストーリー全体を最適化する


自分の人生をマクロ的に見た場合、当然、その人生の中では良いこともあれば悪いこともあります。幸運に恵まれることもあれば、災難に見舞われることもあります。

そして人は多くの場合、災難に出くわした際に、その一時だけを見て自暴自棄に陥ることがよくあります。倒産を経験したり、リストラされたり、派遣切りにあったりすることで「あぁ、もう自分はダメだ」といった絶望状態になることがあるのです。

しかし、そのようなマイナスの事態も、実際は長い人生のうちの一幕の出来事に過ぎないのであり、それを「次の新しいステージに向かうための踏み台」と捉えれば、別に何も気にする必要はありません。「自分が大きく成長する際の通過点」と捉えれば、そこまで感傷的になる必要は全くないのです。

事実、人がステージを変えて大きく成長する際には、大抵その前に一旦苦しい状態になります。いったん屈むからこそより大きくジャンプができるのと同じように…、闇があるからこそ光がより一層輝くように…、大きく開花する前には苦境が待ち受けているのです。したがって、自分の目の前に今立ちはだかっているマイナスの出来事も「一段階上の新しいステージに行くにあたっての通過儀礼」と捉えればいいのです。

仮に自分がリストラを経験して一時的に絶望感を味わったとしても、それは同時に、リストラを経験してない人には絶対に手に入れることができない自分のストーリーが作れることになります。その自分独自のストーリーがこれからのビジネスにおいて重要になるというのはこれまでの記事でも何度も述べてきた通りです。

そもそも苦境に陥ることがない・すべてが順調に進んでいるストーリーなど、誰にも共感されることはありません。ストーリーというのは、浮き沈みがあるからこそ、他者と共感が得られるのです。苦境に陥るからこそ、他者に応援してもらえる余白ができるのです。

このように、今自分に降りかかってきたマイナスの出来事は「自分のストーリー全体を魅力的なものにする上での一幕に過ぎない」という視点を持っておくと、だいぶ心に余裕を持つことができ、前を向いて次の一手を打てることにつながります。

ぜひ、自分の取り掛かっていることを進めていく上では、この考え方も参考にしてもらえればと思います。

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