神話の法則をもとにスラムダンクのストーリー(物語)の構造を解く
今回は『神話の法則』に記された「物語の構造」について、新しい例を挙げながら改めて解説していきます。

まず大前提として、人の興味を引くような物語には必ずある一定の決まった構造があります。そしてその構造に沿ってストーリーを描写することによって、誰でもある程度は人の興味を引き、共感を得やすいストーリーを書くことができるのです。

そしてその「物語の構造」がどのようなものかについては、これまで『千と千尋の神隠し』や『ドラゴンクエスト7』のストーリーを例にあげながら、かなり詳細に解説してきました。

そこで今回は、別の新たな例として『スラムダンク』を取り上げて、その構造のおさらいをしていきましょう。

スラムダンクのストーリー(物語)の構造

「日常の世界」から「非日常の世界」へ飛び込む


まず、人が興味を持つ多くの物語には「人間が成長を遂げていく過程」と共通する部分が多いことは、過去の記事でもお話ししたと思います。実際に物語を読む人の多くは、自分の人生に共通する何かをその物語の中に見出しているためにそれに興味を持ちやすいのです。

そして、ここでの人間の成長とは「内面的な変化」を意味します。当然ですが、身長が伸びる・見た目が大きくなるといった類のことではなく「内面的に大人になる」ということを意味します。

では、「内面的な変化」が起きる時とはどのような時でしょうか…?

それは、異なる環境に身を置いた時になります。少し考えればわかることですが、ずっと同じ環境にいて同じ事ばかりやっていても、自分に変化は起きませんし、進化をすることもありません。関わる人がいつもと変わらない・取り掛かっているものも毎日同じ・1日の行動がルーティン化されている、そんな状況の中にいても、自分の内面が変わるわけはないのです。

普段自分がいる【日常の世界】から【非日常の世界】に飛び込むことで、今までしたことのない経験をしたり、今まで関わったことのない人と関わることができます。そしてそれによって、新たな価値観に触れて視野が広がることで、内面的な変化が生じてくるのです。

これを『スラムダンク』で考えていくと、主人公の桜木花道は【日常の世界】ではヤンチャな不良少年で喧嘩ばかりしていたリ、女子に振られて落ち込んでばかりいました。いわば日常の世界では、内面的に一定の欠陥を抱えている(到底立派な人間とは言えない)、そんな場面が映し出されるところからスタートしているのです。

そんな中、同じ高校の赤木晴子という一人の女の子をきっかけに、桜木花道はバスケットボールの世界という【非日常の世界】に足を踏み入れることになります。


そしてそのバスケットボールの世界の中で、それまで関わることのなかった同校の流川楓・宮城リョータ・三井寿といった人間や恩師の安西先生と出会い、また、喧嘩ではないスポーツの世界で勝負をするという新しい経験することになります。

このように、それまで関わったことがない人間と関わったり、それまで経験してこなかったことを経験することを通して、次第に真のバスケットマンとしての精神を獲得するという「内面の変化」が起こるのです。

【日常の世界】に入り浸っていては起こり得なかった「内面の変化」が、バスケットボールという【非日常の世界】に足を踏み入れることで生じたということですね。

このように、人が内面的な変化を遂げるためには、【日常の世界】から【非日常の世界】に行く、というのがまず一つ必要な条件ということになるのです。

「非日常の世界」から「日常の世界」に戻ってくる


しかし、物語はたいてい「非日常の世界に行って終わり」ではありません。非日常の世界で様々な経験をした後は、成長を遂げたということをはっきりさせるため「元いた日常の世界に戻ってくる」ということが必要になるのです。

同じ『スラムダンク』を例に挙げると、花道はインターハイの二回戦・山王戦で試合中に腰を痛めてしまい、選手生命が危ぶまれる状況に陥ってしまいます。そしてインターハイが終わった後、リハビリ生活を余儀なくされることになります。


このリハビリ生活というのは、一旦バスケットをやらない生活に戻るということなので「元いた日常の世界に戻る」ことを意味します。そしてこのリハビリ生活が描かれている単行本31巻の一番最後で、花道はある言葉を発します。

「天才ですから」

これは、初期の頃の花道が発していた「俺は天才」という言葉とは、重みが全く違います。同じセリフでもここまで内面的な成長を遂げたのだということが、この31巻の最後の描写からありありと伝わってくるのです。


このように、人は一度日常から非日常の世界に行き、そこで様々な経験をすることになるのですが、そこでしっかりと内面的な成長を遂げたのだということを明確にするために、最後に元いた日常に帰ってくることになるのです。

つまり、物語の基本構造は「行って帰ってくる」ことなのです。

①「日常の世界から非日常の世界へ行く」
②「非日常の世界での様々な経験をする」
③「非日常の世界から日常の世界へ戻る」

これが物語の大きな枠組みになります。

そしてこの枠組の中で、さらに細かいプロットというものが存在します。そのプロットというのがどのようなものなのかは、過去の記事で「千と千尋の神隠し」と「ドラゴンクエスト7」を例に挙げて詳細に解説していますので、そちらの記事を参照してみて下さい。

(⇒ 神話の法則とは?千と千尋の神隠しからストーリーテリングを学ぶ
(⇒ ドラクエ7のストーリー考察からシナリオライティングスキルを磨く


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