◎「今やりたいことがない人が目標を持って生きていくにはどうすればいいのか?」
今自分が強く成し遂げたいと思えるようなビジョンがない人は特に、ここで伝えることを参考にしてほしいと思います。
では、まずは今回のテーマについてまとめたこちらの動画からご覧ください。
以下、この動画の内容に沿って詳しく説明していきます。
目次
目標をもって生きていくべき理由
まず「なぜ目標をもつべきなのか」について、その理由を端的に言えば…
「昔の産業社会では生き方の模範解答が与えられていたため、自分で目標をつくらなくてもその模範解答をなぞって生きていけばそれなりに幸せを感じられる時代だった。しかし、現代の情報化社会ではそのロールモデルが完全に機能しない時代なので、自分で目標を持って生きていくべき」
…ということになります。
これについて、以下でもう少し詳細に解説します。
生き方・働き方の模範解答が与えられた時代
ここで言う模範解答とは「良い大学を卒業して、良い企業に入り、就職先で安定した給料を得ながら定年まで働き、老後は年金をもらって安心して過ごす」というスタイルです。これが、産業社会以降の生き方としての一つのロールモデルとされていました。
私たちがそれを模範的な生き方だと認識してきたのは、主に「家庭教育・学校教育・テレビ」の影響が大きかったと思われます。
・家庭で親から「できれば大学は卒業しておいた方がいい」などと言われたり、
・学校で先生から「これをやっていれば就職の際に潰しが効く」などと言われたり、
・テレビのトレンディドラマ等で「これが幸せな人生だ」といったストーリーが描かれたり、
このようなことを通して、どんどん私たちの中に「その生き方が正当なもの」という意識が刷り込まれてくるのです。
そして事実、産業社会当時は、その与えられたロールモデルをなぞって生きていればそれなりに幸せを感じられる時代でした。
終身雇用制度も年金制度も機能していたため、その生き方における経済的な安定は担保されていましたし、さらに発信媒体が大きなメディア(テレビや新聞など)に限られた社会の中では、ある程度価値観も統一されるので「みんなが正しいと言っている生き方で安定が得られる」という点では、経済的な安定だけではなく精神的な充足感っていうのも得られたと思います。
したがって、当時ロールモデルとされたその生き方は、別に間違いと言うわけではありません。ただ、時が経過するにつれて、次第にそれが機能しなくなってきたのです。
生き方・働き方の模範解答が与えられない時代
現代において、日本では少子高齢化現象がどんどん進行していることで、若者の数に支えられて機能していた終身雇用制度や年金制度は完全に崩壊の方向に向かっています。さらに、インターネットの普及によって個人がそれぞれ情報を発信できるようになると、人々の情報の受け取り方も変わるので需要とか価値観も分散されていきます。
すると、テレビの影響力も相対的に弱まっていきますし、さらにそのロールモデルをなぞっていても経済的に困窮するような人がどんどん出てくると、「あれ?学校で言われたことを違うんじゃない?」「その学校教育を受けて育った親が言うこと間違ってない?」ということが徐々にわかってきます。つまり、これまで模範解答を与えてくれた三者の教育主体としての存在意義が次第に揺らいでくるのです。
現代はこのように、かつてのロールモデルは完全に消え去り、昔教えられてきた生き方が通用しない・何を規範としていいのか分からない時代になったと言えます。今は、生き方・働き方の普遍的な正解がなくなった時代なのです。
だからこそ、これからの時代は自分なりの幸せな生き方を自分自身で確立していく必要があるのです。周りと同じことをするのではなく、自分のやりたいことを元に自分にとっての正解を掴みとっていく時代です。そのために、自分なりの目標を持って生きていくべきということが言えます。
やりたいことがない・目標を持てない原因
しかし、「自分が本当にやりたいことは何ですか?」と尋ねられた際、明確に答えられない人は多いと思います。現在、自分の明確な目標をもっていないと言う人は、実際にかなり多いのです
これは、ある意味仕方のないことだと思います。
なぜならこれまでの教育では、生き方の模範解答が与えられていたため自分のやりたいことを見つけなくてもそこまで問題はなかったからです。むしろ自分のやりたいことがあっても、それがロールモデルのレールの上から外れるものであれば、そのやりたいことの我慢を強いられることさえあります。
「やりたいことを我慢して将来のために勉強する」
「やりたいことを我慢して将来のために貯蓄する」
このように、我慢ができることが大人であり美徳であるという教育も当時の教育ではなされていました。
そのような環境の中で育つと、当然そのやりたいことを見つけるスキルやそれを自分のやり方でやり通すスキルは失われていきます。レールからはみでた行為は禁止や叱責の対象になるので、結果、自分やりたいことすら見つけられない状態の人は本当に多いのです。
自分の内面とは?
ただ、今は昔とは明らかに社会構造が違うので、上述したようにこれからの自分の人生を豊かなものにしていくには自分の目標はしっかりと設定すべきです。
そして、自分が本当にやりたいこと・やりがいと言えるもの・心の底から情熱を持って取り組んで成し遂げたいと思えることを見つけるためには「自分の内面」をしっかりと理解する必要があります。自分の内面からみなぎるものがないと、それは本当に成し遂げたい自分自身の目標とは言えないからです。
では、自分の内面を理解するにはどうすればいいのか?
これについて、まず一つ言えるのは「自分の内面は、頭の中で考えるだけで理解出来るものではない」ということです。
これは、自分の内面と外見を併せて考えるとわかりやすいと思います。
自分の外見の中で、最も自分の特徴が現れる部分は、顔です。そしてその自分の顔は、自分で直接見ることはできません。鏡をつかって見るか、あるいはカメラで撮って写真に写った被写体として見るか…、つまり、外部のものを通してしか見ることができないのです。
内面に関しても、それと同様です。自分の内面も、自分だけでは理解することはできず、外部のものを通してわかるようになってきます。他者との関わりを通して特定の感情が芽生えることで自分の内面に気づけたり、あるいは、物事への取り組みを通して心の底から夢中になって取り組めることに結果として出会えることがあるのです。
したがって、自分にとっての「やりがい」を考えた時も、やりがいがあると心から思えることは頭の中だけで見つかるものではありません。外部の物事に取り組んでみて、時間を忘れるくらい没頭できたことが、結果的にその人にとってのやりがいになるのです。
自分の内面を理解するための二つの手段
そうすると、自分の内面を理解するために有効な手段としては、次の二つが挙げられます。
◎とにかく未知の外部のものに触れてみる
自分の経験やストーリーを振り返る
これに関しては特に、これまでの経験の中で「違和感を抱いたこと・悔しかったこと・怒りを感じたこと」など、いわばマイナスの感情が、自分の内面を深く知る上で重要になります。疑念・不安・憤りなどの感情を抱いた時の状況を整理することが、その自分の本当にやりたいことを見つける上で役に立つことがあるのです。
実際、これまで数多くコンサルティングをしてきた中でも、過去自分が嘆き、苦しみ、壁にぶつかったことの中に、自分の大義となるものが眠っている人は多いです。
そして、その経験やストーリーは自分独自のものです。その感情を伴ったストーリーから生まれる理念や大義は、他の誰一人としてパクることができません。言葉で綴れば、他者と同じような理念に見えたとしても、バックグラウンドが違えばそこに現れる価値は全く異なります。
したがって、自分独自の価値を持って活動していく上でもこのストーリーは重要なものになります。「今やりたいことが特にない」という人は、まずは自分の内面を理解するために、自分の人生の棚卸しをしてみるというのが一つの有効な手段です。
とにかく未知の外部のものに触れてみる
そして、それでも見つからない場合や過去を思い出せない場合は、とにかく未知の外部のものに触れてみる(まずは取り掛かってみる)のがいいです。
すでに述べたように、自分の内面は頭の中で考えるだけでは理解できず外部のものを通してしか理解できないので、とにかく外部のものに触れてみて新たな内面を探っていくしかありません。
そしてその際には、「自分にできそうなこと」に取り掛かるよりも「面白そうだと思えたこと」を優先するのがおすすめです。できそうなことができたところでそれは予定調和にしかならないので、あまり何も生まれない可能性は高いです。それよりも、(マネタイズができるかどうかはとりあえず置いておいて)少しでも魅力があると思えることに取りかかった方がいいです。
実際に取りかかってみて「やっぱり違うな」と思えば、それをやめて別のものにとりかかればいいですし、そのように外部のものとの接触を増やすことでしか、内面は理解できないのです。
こういったプロセスの先に、自分の本当にやりたいと思えることが見えてそれが自分ならではの目標を設定できることにつながります。
やりたいことを見つける方法のまとめ
では、これまでの内容をまとめておきましょう。
(これからは、自分なりの幸せな生き方を確立するために、本当にやりたいと思えることを元に自分で目標を設定して生きていくべき)
◎本当にやりたいことを見つけるためには自分の内面を理解する必要があるが、自分の内面は、頭で考えているだけで理解できるものではない。
(自分の顔と同様に、自分の内面も外部のものと接することでのみ発見できる)
◎自分の内面を理解するためには、次の二つの手段が有効。
・これまで外部のものとの接触で感じたこと(経験・ストーリー)を振り返る
・とにかく未知の外部のものに触れてみる
ぜひ、これからの時代を生きるにあたって参考にして下さい。
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