シャルパンティエ効果とは?錯覚による心理学的現象を具体例を挙げ解説
今回は「シャルパンティエ効果」という心理学用語を解説します。

この記事を読むことで理解できること
◎「シャルパンティエ効果とはどのような心理学的現象なのか」
◎「シャルパンティエ効果を利用して物事をわかりやすく伝えるコツ」

今回の内容は、自分の伝えたいことをわかりやすく(あるいは面白く)伝えるのに非常に役立つ内容ですので、ぜひ最後まで読んでほしいと思います。

それでは、まずはこちらの動画をご覧下さい。


以下、この動画に沿って詳しく解説を加えていきます。

シャルパンティエ効果の具体例


まずはイメージしやすくするために、具体例から入りたいと思います。


では、問題です。

サントリーでおなじみの次の写真の商品、ペットボトルの『C.C.レモン』。さて、この商品には100mlあたり、何mgのビタミンCが含まれていると思いますか?


正解は「286mg」でしたーー!

おそらく、この問題を出されて答えを聞いたほとんどの人は、次のような感覚をおぼえると思います。

「はぁぁ~~!?」という感覚に。

なぜなら、正解を言われたところで全くしっくりこないからです。「ビタミンC 286mg」がどの程度のものなのか、イメージ付かない人がほとんどなのではないでしょうか。

実際、この「100mlあたりビタミンC 286mg」というのは、ペットボトルのラベルに小さな文字で記載されている情報です。ただ、それを言われたところでそれが多いのか少ないのかすらよくわからないのです。

一方、そのラベルの商品名の下の目立つところには、以下のような記載もあります。

「ビタミンCレモン70個分」

こちらはペットボトル1本(500ml)あたりの情報ですが、どちらかと言えばこっちの方がしっくりくると思います。

「レモンにはビタミンCが豊富」というのは周知の事実であり、みんなの頭の中にはすでにそのようなイメージが出来上がっています。「そんなビタミンC豊富なレモンが70個分!」と伝えたほうが、いかに多くのビタミンCが入っているのかイメージしやすいです。

「100mlあたりビタミンC 286mg配合」→(う~ん・・・で?)
「1本あたりのビタミンCはレモン50個分」→(おぉ!すごい!)

数値というのは正確さを出すことはできても、量や大きさを頭でイメージしにくい場合があるというマイナス面も含んでいるのです。相手に伝える際にその相手がイメージできない形で伝えても、それは全くの無意味と言わざるを得ません。

それに対して「レモン50個分」「東京タワーの三倍の広さ」などという表現は、特定のものを基準にしてイメージしやすくした伝え方になります。

シャルパンティエ効果とは?


このように、特定のものが持つイメージを利用して相手に伝えるこの方法は、心理学上の“シャルパンティエ効果”という現象を利用したものです。

“シャルパンティエ効果”とは「同じ重さのものでもイメージによって軽い・重いという判断が変わってしまう、人間の錯覚による心理現象」のことで、もともとは「重さ」に関していったものなんです。



鉄1kgと綿1kgを比較した場合、両方とも重さは同じ1kgですね。しかしこの表記だけみると、なんとなく綿の方が軽い感じがする人が多いと思います。そのように感じてしまうのは「鉄は重い」「綿は軽い」という、鉄や綿のもつイメージが人間に錯覚を起こさせるからなのです。

要するに、客観的数値よりもイメージが先行してしまうということです。

先ほどのCCレモンの場合、これを「重さ」ではなく「ビタミンの量」にも応用し、レモンが持つイメージを利用してビタミンCの含有量の多さをイメージしやすくしているのです。

これは、実にいろんな場面で利用することとができます。

ビジネスの場面でも、例えばイナバ物置の「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫!」というフレーズはそれをうまく活用したものと言えます。これも「100人乗っても壊れない、いかに丈夫な物置なのか」をイメージしやすくするためにシャルパンティエ効果を利用しているのです。

これは相手にわかりやすくものを伝えるために、あらゆる場面で有効な手段となります。

面白く伝えるためのシャルパンティエ効果


このシャルパンティエ効果を利用してイメージをわかりやすく伝える方法…これを面白い方向に持っていくのが得意なのが、ダウンタウンの松本人志さんです。

日テレの『ガキの使いやあらへんで』の番組内で、西川きよしさんの娘、かの子さんが、きよしさんが作った家訓について不満ながらに話をするという場面がありました。

以下は、娘のかの子さんの発言です。


「(西川家の家訓には)挨拶は相手に先にされたら負け、というのがあるんです。だから、遠くに知っている人がいたとすれば、自分から声をかけて『おはようございます』と挨拶をしなければ負けだと…。ただ(父親のきよしは)それを、空港とかでもやるんです。それこそ空港の遠く離れたところでも、『松本さーん!!』みたいに大声で挨拶するんです…そうすると困りますよね?その距離の20メートルの間にいる人みんなに、その声を聞かれてしまうんですよ…」

こんな風に、かの子さんは「父親の西川きよしさんが20メートル離れたところからでも大声で挨拶をする」、その恥じらいの無さを不満げに口にしていました。

そしてこの「20メートル」という数字を聞いた松本人志さんは、間髪入れずこのように発言したのです。


「裸族がヤリ投げる距離ですよ!」


うまい喩えですね。それを聞いた西川きよしさんも「ここ一番うまいこと表現するなー」と感心していました(笑)

このように何か他のものに喩えることで、その情報はイメージがわきやすくなるだけでなく、斬新さが際立って面白くなることもあるのです。

「正しいかどうか」ではなく「面白いかどうか」が価値をもつ今の時代、“シャルパンティエ効果”を意識して情報発信するだけで、次第にあなたの文章は、面白さも付加された価値ある文章になるかもしれません。

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