先日、人気YouTubeチャンネル「電撃ランキング」が海外から著作権侵害の警告を受けてすべての動画を自主的に非公開にしたことに触れましたが、実はこの「アシタノワダイ」も電撃ランキングと同様、元々は海外作品の丸パクリ動画を投稿していたチャンネルです。
なので、先日の電撃ランキングの流れを受けて、アシタノワダイも同じ事態を恐れて急遽サブチャンネルを作るのは至って自然の流れだと思います。ただ、この件ついてはあまり深く知らない人も多いかと思うので、今回はその辺りも詳細に解説していこうと思います。
電撃ランキングの動画非公開を受けて
まず、先日、人気YouTubeチャンネル「電撃ランキング」が自主的にすべての動画を非公開にしたことに関する記事を書きました。すべて非公開(一部限定公開)にした理由は、海外の会社から著作権侵害の警告を受けており、その警告の累積によるBANを回避するためでした。
そしてそれに伴い、今回同じく雑学系の人気YouTubeチャンネル「アシタノワダイ」が、昨今のYouTubeの不安定な部分を危惧し、新たにサブチャンネル「私のお部屋は2LDK」を設置することを動画内で発表しました。
この動画では、文字によって次のようなことが伝えられていました(その動画内の文章を一部引用しておきます)
突然ですが、昨夜、某大物ランキングch様の動画がすべて見れない状況になりました。ランキング系のchでは一番大きなchであり、安定した再生回数とネタ選びの巧さ、それに伴う動画の面白さ等、尊敬に値するチャンネルです。
このような事態となった詳細は全く不明なため何とも言えない状態ですが、今年は当chも数か月休止する事態やch登録者100万人を超えるレペゼンさんがBANされる等、波乱含みの展開となっております。
つきましてはこの度、当chでも、万が一の事態の備え、サブチャンネル「私のお部屋は2LDK」を設置いたします。(以下略)
これだけ見ると、この内容の趣旨としては「最近のYouTubeは何が起こるかわからないから念のためサブチャンネルを作っておこう」ということになります。
電撃ランキングすべての動画を非公開にしたことやレペゼン地球がアカウントをBANされたことを一緒くたにして、YouTubeのよくわからない不安定さを恐れているかのような文章です。
アシタノワダイはわかっています
しかし、実際はそんなことはありません。動画内では「このような事態となった詳細は全く不明」と言っていますが、電撃ランキングが非公開にせざるをえなくなった理由に関しては、アシタノワダイは明らかにわかっているはずです。
というのも、冒頭でも伝えた通り、この「アシタノワダイ」というチャンネルも電撃ランキング同様、元々は海外のコンテンツをほぼ丸パクリしていたからです。
例えば、アシタノワダイの「【衝撃】億万長者になれる仕事6選」という動画は、海外の【TheRichest】というチャンネルの「10 Jobs That Can Make You An Instant Millionaire」という動画をほぼ丸パクリしたものです。
また「【衝撃】試験に合格した学生のテクニック8選」という動画も、同じ【TheRichest】の「10 Things Students Did To Pass Exams」という動画を丸パクリしたものです。
さらに「【衝撃】世界の危険な道路10選」という動画も、同チャンネルの「10 Roads You Would Never Want to Drive On」という動画をからほぼ丸パクリしたものになっています。
このように、海外の作品をほぼそのままパクるというアシタノワダイの(過去の)手法は、電撃ランキングと全く同じなのです。アシタノワダイは電撃ランキングを「ランキングch」という都合のいいカテゴリーで括っていますが、見方を変えれば両方とも「海外のパクリ系ch」とも言えます。
なので、今回電撃ランキングが非公開にした理由がわからないということはありえません。
つまり、動画内ではサブチャンネルを設置した理由を「何が原因かわからず怖いから念のため」としていますが、実際は「原因がわかった上で自分も全く同じ理由で削除される可能性があるから」というのが本音です。
そして、その原因とは全く関係ない理由で最近BANされた「レペゼン地球」もひとまとめにした上で、無理矢理「最近のYouTubeは波乱含みの展開となっている」と結論付けているだけです。レペゼン地球がBANされたのは性的コンテンツが理由となってペナルティが3つ累積したからであり、今回の件とは全く関係ありません。
したがって、最近削除されているものはそれぞれ明確な理由があって削除されているだけであり、別に最近のYouTubeが不安定なわけでも何でもないのです。
そしてこのようなことを理解してからか、あるいはすでにペナルティを食らった過去があるからか、アシタノワダイは少し前までチャンネルの方向性について迷走していた感があります(不必要にサブリミナルメッセージを入れるなど…)。そして今では海外の丸パクリではなく、割とオリジナルの調査を元に動画を作っているような印象を受けます。
「成果物のパクリ」と「成功事例の模倣」は違う
最近では、電撃ランキングやアシタノワダイを模倣するチャンネルもわりと多くなってきました。そして前回の記事でも言いましたが、このように海外で成果の出ている手法を日本市場に持ってくること自体はビジネスにおいては重要な考え方と言えます。
実際、海外で人気のあるネタを日本語に変換し、同じような編集を自分で施してオリジナルのものにしている(ように見せている)ということ自体はそこまで問題ある行為ではありません。そのネタがただの事実であれば、その事実を元に動画を作ることには何の問題ありませんし、編集の仕方自体を真似ることも別に違法ではありません。
ただ、動画の「構成」と「画像・イラスト」まで丸々パクって作品にしたのというのが今回の最大の問題となる部分です。10選という構成をそのままパクったり、並び替えたり減らしただけだったり、イラストをそのまま使ってたり…ということをしてしまうと、元の海外の運営が「うちのサイトがパクられた」と感じてしまいます。
つまり、結果として「うちのサイトがパクられた」と感じる人が出てくるくらい実際にパクってしまったことが問題なのです。逆に、同じネタ(事実)を元に動画を作成してもそれをやっていなければ、誰もパクられたとは感じないので通報されることはありません。
結論として、模倣するのはいいとしても、画像イラスト・構成などもそのまま使って模倣先が結果として「パクられた!」と感じないレベルにとどめるべきですね。「成功事例を模倣すること」と「成果物をパクること」は違いますので。