2018年8月17日、登録者55万人以上の人気YouTubeチャンネル「電撃ランキング」から、突如すべての動画が消えるという現象が起きました。


「いったい何が起こった?」・・・と一瞬驚いたのですが、どうやら調べてみると、電撃ランキングはすでに著作権侵害のペナルティを受けており、その累積によるアカウント停止を避けるためにチャンネル運営者が自主的に非公開(or限定公開)にしたようですね。

今回はこれについて詳しく書いていきます。


著作権侵害の申立人は?


今回、電撃ランキングに著作権侵害の申し立てをしたのは「TheSoul Publishing」というところです。


これは海外のBrightSideというサイトを運営している会社のようですね。



こういった海外の会社が著作権侵害の申し立てをしてくるのも無理はありません。

実は「電撃ランキング」の動画で使用される画像やネタは、そのほとんどが海外のサイトや海外チャンネルからほぼ丸パクリしてきたものだからです(電撃ランキングの姉妹チャンネル「フェルミ研究所」も同様です)

電撃ランキングはすでに動画が非公開になっているので、フェルミ研究所の動画を取り上げて例を出すと・・・

フェルミ研究所の「【衝撃】子供が10歳までに習っておくべきこと6選」という動画は、海外の【BRIGHT SIDE】というチャンネルの「10 Important Things Your Child Should Learn by Age 10」という動画をほぼ丸パクリしたものです。

(タイトルもそのまま日本語にしただけですね。10選を6選にしているだけです)


また、フェルミ研究所の「【衝撃】もし子供がこの座り方をしていたら危険!?」という動画は、海外の【#Mind Warehouse】というチャンネルの「IF YOU SEE A CHILD SITTING IN THIS POSITION, STOP HIM BEFORE IT’S TOO LATE!」という動画をほぼ丸パクリしたものです。

(これなんかはサムネも全く同じですね。。。)


このような感じで、海外で人気のあるサイトやチャンネルに目をつけ、その動画のネタや画像をそっくりそのまま用い、日本市場に合う形に変換して(日本語に訳しナレーションをつけて)出来上がったのが「電撃ランキング」や「フェルミ研究所」なのです。

今回はネタの構成を丸パクリしたり、画像やイラストをそのまま使用したりしたことが著作権違反と判断されたようですね。


電撃ランキングの成功と失敗

■【「電撃ランキング」の成功】


今回、電撃ランキングは結果としてすべての動画を非公開することになってしまいましたが、ビジネス視点で見た場合、この運営者の目の付け所は非常に参考になる点があります。それは…

「海外で成果を上げているものを日本でもいち早く取り入れることで、日本市場で大きな成果を出す」

という点です。これはビジネスにおいては鉄板のやり方であり、電撃ランキングはYouTubeという舞台でこの理論をうまく応用したチャンネルです。

そもそも、今日本で通用しているインターネットビジネスの手法は、ほぼすべて海外から輸入してきたもので、その源流は海外にあります。DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)なんかも、もともとは海外で大きく成果を上げていた手法です。それを日本に輸入してきたことで、日本でもDRMが流行りだしたというだけの話です。

動画共有サイトで言えば、ゲーム実況なんかもそうですね。ゲームをプレイしながら実況している様子を録画して視聴者とともに楽しむというやり方も、もともとは海外で流行っていたものです。その海外で流行っていたものを日本に持ってきたことで、日本でもポピュラーになり、動画配信のメジャーな形の一つとして確立したというだけなのです。

つまり、海外で大きく成果を出している最先端の手法を日本に直輸入し、それを日本市場に合わせた形で実践することで、日本でもほぼほぼ大きな成果を出すことは可能です。海外でうまくいっているものでまだ日本市場に出回っていないものは、金脈になるのです。

これが電撃ランキングが大きく成果を出してきた一つの要因です。昨年あたりから、電撃ランキングを模倣する日本のチャンネルもいくつか出てきていますね。


■【「電撃ランキング」の失敗】


ただもちろん、これは「海外の手法をまねる」というところに意義があるのであって「海外の作品を丸パクリする」というのとは本質的に違います。電撃ランキングの場合は他者の作品まで丸パクリしていたので、その点は明らかな著作権違反であり、問題があります。

ここで一つややこしいのが、「何が著作物に当たるのか」ということです。

電撃ランキングで扱っているネタは「世界の不思議な現象」などの雑学系のネタです。そして雑学というのは「AはBである」「AをすればBになる」という、いわば事実です。つまり電撃ランキングは、海外サイトに書かれている事実をネタとして扱っていたことになります。

「事実に著作権はあるのか?」といえば、答えはNOです。事実そのものに著作権はありません。つまりサイトに書かれている事実をそのまま使ったところで、それ自体は著作権違反にはならないのです。

ただこの場合、「世界の不思議な現象10選」といった場合の10選という構成や、そこで使用されているイラストをそのまま使ったことに問題があります。他サイトの文章に書かれた「事実」に著作権はありませんが、その文章の「構成」には著作権があるのです。また当然、そのサイト内の「イラスト」にも著作権はあります。

おそらく、電撃ランキングはこのあたりもわかっていたと思います。そしてわかった上で「海外だから訴えられることはないだろう」と高を括って、あえてイラストと等も丸パクリしていたのでしょう。

しかし、YouTubeにおいては、媒体が育って目立つようになれば当然海外の人の目にも触れる可能性は高くなります。そして海外であっても、YouTubeを通せば簡単に削除申請は出せてしまいます。この辺りの詰めが甘かったというのが、電撃ランキングの失敗と言えるでしょう。



【追記】アシタノワダイも削除を恐れ…


電撃ランキングの非公開の件を受けて、人気チャンネル「アシタノワダイ」がサブチャンネルを作成しました。実はこのアシタノワダイも、元は海外の作品をほぼ丸パクリで動画投稿をしていたチャンネルです。(「アシタノワダイ」の詳細については ⇒こちら