今回は「ハロー効果」という心理学用語を解説します。

この記事を読むことによって、
・「ハロー効果という心理現象とはどのようなものか?」
・「ハロー効果が日常で現れる具体的場面とは?」
・「ビジネスで人間のハロー効果を利用した手法とは?」
といったことが理解できるようになります。

このハロー効果を理解すると、これまでの経験の中で「これは自分にも当てはまる」と感じるものが必ず出てくると思います。それだけ普遍的な心理現象なので、イメージも湧きやすいと思います。

それでは、まずはハロー効果についてまとめたこちらの動画をご覧下さい。


以下、この内容について詳しく解説していきます。


ハロー効果とは?


“ハロー効果”とは「ある対象を評価するときに、一つの特徴的な側面に引きずられて、他の側面に対する評価をゆがめてしまう心理的現象」のことを言います。

例えば、ある一人のひとを評価する時に・・・

この人は高学歴だから、予備校講師の仕事ができるだろう

という判断をしたとします。この時、すでにハロー効果という現象があらわれていることになります。実際、「高い学歴をもつ」ための能力と「予備校講師の仕事をする」ための能力は、全く別物だからです。

高い学歴をもつためには「その大学の入学試験で一定の点数をとる問題解答能力」が必要になります。一方、予備校講師の仕事をまともにするためには、解答能力だけではなく「難解なものを整理して他者にわかりやすく伝える表現力・過去数年の問題から出題傾向を読み解く分析力・生徒のメンタル面をフォローするカウンセリング力」などが必要になります。

つまり「自分が問題を解くのに必要なもの」と「他者が問題を解けるレベルに導くのに必要なもの」はイコールにはならないのです。実際学歴が高くても、伝え方が下手でまったく生徒の成績を伸ばすことができない人には、予備校講師はできません。

したがって「高学歴だから、予備校講師の仕事ができる」という判断は、全くもって合理的な判断ではないのです。この場合、一つの側面(学歴が高い)に引きずられて、それが他の側面(予備校講師ができるかどうか)に対する評価を歪めてしまっていることになりますね。

他にも、例えば・・・・

・この男性は金髪だから不真面目な性格だろう。
・この女性は字がきれいだから性格がいいだろう。
・この人は難関大学出身だからビジネスパーソンとして優れているだろう。
・この商品のCMにはあの芸能人が出てるからそれは良い商品だろう。

これらは全て、ある一つの側面と全く別の側面とを結びつけて、歪んだ判断をしてしまっている例です。

このように、私たちのハロー効果は日常の様々な場面で見受けられます。


他者のハロー効果を前提として意識しておくべきこと



なお、この“ハロー”というのは「後光が差す」の「後光」のことです。したがって、このハロー効果は“後光効果・後背効果”ともいわれます。肩書きや身なり等の特徴的な印象だけで、その人のすべての特徴まで輝いて見えることを比喩しているのです。

また、上で挙げたハロー効果は「一つのプラスの側面だけを見て他の面も優れていると判断してしまう」という例ですが、当然その逆もあります。「部屋がきたないというだけでその人を人格的に劣っている」と評価してしまうマイナス面のハロー効果がはたらくケースもあるのです。

人間にこのような心理的側面があることからも、リアルの場で人と接する時には最低限「見た目」などには気を配っておいた方がいいかもしれません。「人は見た目が9割」なんて言われることがありますが、本当に見た目によって内面的な人間性まで判断されてしまうこともあるからです。

もちろん、リアルだけではなく、ネットにおいても言えることです。例えば、ネット上の自分のブログなど、人目に触れる自分のメディアに関しては、そのデザインやユーザビリティ(閲覧のしやすさ)には気を使っておくことが大事です。どれだけ質の高い記事を書いても、デザイン性が優れているかどうかで読者の評価も変わってることがあります。同じ記事でも、


ハロー効果を利用したビジネス手法の具体例


このような人間のハロー効果(歪んだ判断をする傾向)を利用して、ビジネスの場面では顧客の購買行動を促進するのに有効ないくつかの手法が見受けられます。ここでは二つほど紹介しておくと・・・

まず一つは「権威者の推薦文」です。

商品を販売する際、その販売ページに権威ある人の推薦文を掲載するのです。例えば、化粧品を販売するのであれば、美容業界で権威あるの名前を使って「あの〇〇さんもこの商品を推薦してくれています!」というフレーズとその人の推薦文を載せるのです。そうすることで、それを見た消費者は「この人が推薦しているなら、この商品は粗悪なものではないだろう」と判断し、購買意欲が高まる効果があります。

もう一つは「人気ある芸能人の起用」です。

商品のCMに、その商品のイメージにあった人気のある芸能人を起用するのです。例えば、缶コーヒーのCMに、ダンディで渋い感じの人気タレントを起用したとします。そうすることで、その芸能人のダンディな感じに憧れを持つ人は「あの缶コーヒを飲むことで自分もあの芸能人に近づける」と勝手に判断し、その缶コーヒーの購買意欲が高まることがあるのです。

このように、権威や好意というのは、人の購買行動を促進させる重要な要素になります。

本来「商品の品質」と「商品のプロモーションに起用される人」とは、何の関係もないことが多いのです。実際、過去に缶コーヒーのCMに起用された芸能人が、実はコーヒーを飲めない人だったという例もあるくらいです。しかし、消費者の多くはそのような事実を知らないため(あるいは知っていたとしても)、無関係な二つ要素を勝手に結びつけて歪んだ判断をすることがあるのです。

今後CMやネット上の広告を見る際には、ハロー効果という心理現象を利用したものがあるかどうかという視点で見てみると、面白いものが見つかるかもしれませんね。