任天堂をはじめとした日本のゲームの歴史から革新的ビジネスを考える
今回は、ゲーム業界の変遷を取り上げたうえで「革新的なビジネスとは何か?」について考えていきます。

この記事を読むことで理解できること

◎「ゲーム業界はどのような革新を経て進化してきたのか?」
◎「自分のビジネスで革新を起こすためにはどんな考え方が必要か?」


日本のゲームのあり方を歴史の流れとともに紐解いていくと、そこにはいくつものイノベーションがあることに気づかされます。そしてそのイノベーショを起こすことができる思考は、ビジネスを長期にわたって成功させていくうえでは間違いなく必要なことです。

そしてゲーム業界はその変遷の中で、前回の記事で取り上げたマーケティングファネルの構造もしっかりと構築しています。したがって、前回のおさらいも兼ねてしっかりと最後まで読んでほしいと思います。


それでは、まずはゲームの変遷について簡潔にまとめた以下の動画をご覧ください。


①ゲームセンター「ゲームは専用の空間でプレイするもの」


ゲームは、今となってはスマホを使って誰でも手軽に楽しむことができるものになっています。しかし、そもそも昔は「ゲームはゲームセンターでプレイする」というのが一般的でした。

学校を終えた子供がゲームセンターという専門の空間に足を運び、そこでアーケードゲームなどをプレイするというのが、昔のゲームの常識だったのです。

いわば、日常とは少し離れた特殊な空間にある存在…それが昔のゲームのあり方だったということになりますね。

②家庭用ゲーム機の出現「ゲームは家でプレイするもの」


そんな中、突如一般庶民の常識を覆すような存在が現れました。それが「家庭用テレビゲーム」です。特殊な空間にある存在だったゲームが日常の世界に進出してきた…これは当時の人からすると相当の衝撃だったでしょう。

なお、当時の家庭用テレビゲーム機の最も代表的なものが、任天堂の「ファミコン(ファミリーコンピュータ)」です。

ファミコンが発売になったのは1983年。これが日本初の家庭用テレビゲームというわけではありませんが、ファミコンは当時の日本の多くの家庭に乗り込んできた、いわば家庭用ゲームの象徴的な存在だったのです。

そしてその後、ファミコン本体が世に出回ってから少し経って発売になった「スーパーマリオブラザーズ」というソフトが大人気となり、「ハード・ファミコン」+「ソフト・マリオブラーザーズ」という組み合わせが爆発的な人気を誇りました。

これにより、ゲームは家で楽しめるという認識が一気に広まることになったのです(これ以降、しばらく任天堂は日本のゲーム業界のトップとして不動の地位を確立することになります)。

そしてその後も、進化を遂げたハードゲーム機が次々に世に出てくることになります。

任天堂だけを例にあげても、「スーパーファミコン」→「ニンテンドー64」→「ゲームキューブ」といったように、映像処理の技術などのスペックを上げたハードがどんどん発売され、それらが日常の空間に普及していきました。それに伴い、家でゲームをする人の数はどんどん増えていくことになります。

こうして、かつての常識だった「ゲームは専用の空間でプレイするもの」という認識は次第に薄れ、「ゲームは家でプレイするもの」という認識の方が一般的になっていったのです。

ゲームに対する常識が変わった、一つのパラダイムシフトと言えるでしょう。

③Wiiの登場「子供だけではなく家族を巻き込む」


任天堂のファミコンを皮切りに、家庭用ゲーム機がどんどん普及することで次第に「ゲームは家でプレイするもの」というのが一つの常識になっていったことは上で示した通りですが、この頃のゲームには、もう一つの常識が存在しました。

それは「ゲームは子供がプレイするもの」という認識です。

ゲームの画面にくぎ付けになるのは子供であり、親はその長時間ゲームばかりしている子供を叱る。つまり、家庭用ゲーム機を介して「ゲームをする子供vsそれを叱る親」という構図が生まれていたのです。

実際、ゲームの中にはクリエイターが考えた広大な世界が広がっているわけですから、子供としてはその世界に夢中になるのは自然なことです。そのゲームの世界を介して学べるものも、非常に多いと(個人的には)思います。

ただ、ゲームをやらない親はそんなことは知りません。自分の知らない世界に夢中になっている子供を見ても、親からしたら「ただただ画面に長時間くぎ付けになり、思考の鍛えられない遊びに時間を費やしている」くらいにしか見えないのです。

そんな当時の常識を覆すべく登場したのが、任天堂の「Wii」です。

このWiiは「親に嫌われないゲームを作ろう」という構想のもとに生まれたと言われており、当時のキャッチコピーも「Wiiのある新しい生活」だったと思います(←うろ覚え)。

ここで言う「新しい生活」とは、家の中で写真を撮ったり、Wiiリモコンを使って動きを介して楽んだりと、いわば「家族でゲームを楽しむような生活」のことを指していたのでしょう。

つまり任天堂は、ここにきて顧客の層を拡大して親を巻き込み「ゲームは家族でプレイするもの」という一つの形を作ろうとしたわけです。これも当時の「ゲームをは子供がプレイする」という常識を覆そうとした、革新的発想と言えます。

④スマホゲームの台頭「最新ハードは購入不要に」


また、これまで紹介してきた家庭用ゲームには、ある一定の法則のようなものがありました。それは「最新のハードを買わなければ、新作ソフトはプレイできない」というものです。

例えば、これまで様々なファミコンのソフトをプレイしていたとしても、新しくスーパーファミコンが発売されると、次から発売される新作ソフトのほとんどはスーパーファミコン用として発売されることになります。こうなると、新しくスーパーファミコンというハードを購入しなければ、今後は新作ソフトは遊べなくなってしまうのです。

これにより、ゲームをプレイする人の中には次のように思う人が出てきます。


ゲームプレイヤーの心の声

また新しいハードが出てきた…。今後の新作はこの新しいハードがないとプレイできないだろうし、またハードを買わなきゃいけないとなるとなんか萎えるな…


こうして、一定数の人が離脱していくことになります。そしてこれはビジネス的視点で見れば「既存の顧客を失う」ことになるので、これがゲーム業界の一つの懸念でもあったのです。

そんな中、スマホゲームというものが新興勢力として台頭してくることになります。

このスマホゲームは先ほど述べた「最新ハードを買わなければ新作ソフトは遊べない」という常識を完全に覆す存在です。なぜなら、そこではすでに個人が所有しているスマートフォンがハードの代わりになるからです。

すでに持ち合わせているスマホからソフト(アプリ)をダウンロードするという形になるので、新しいハードを買う必要がありません。これにより、「ハードを買わずとも誰もが新作ゲームをプレイできる」状態が作られたのです。

携帯電話という日常に染みついたものにゲームが参入してきたこの結果を見れば、ゲームはさらに日常深くに浸透してきたと言えるでしょう。

これも革新的なパラダイムシフトです。

スマホゲームとマーケティングファネル


ちなみに、上で取り上げた任天堂は、初期の頃はなかなかこのスマホゲームに参入しようとはしませんでした。しかし、このスマホゲームは収益を上げるという点ではかなり魅力的なビジネスモデルです。

なぜ、このスマホゲームが収益を上げる点で魅力的なビジネスモデルと言えるのか・・・それは、スマホゲームを扱ったビジネスが「マーケティングファネル」の構造に沿っているからです。詳細な説明に関しては冒頭の動画内でしていますのでご覧ください。

結果として、すぐにスマホゲームに参入しなかった任天堂は、それが流行り出した2013年頃、営業利益で大きな痛手を被ったことになります。

常識を覆す革新的な発想をビジネスに


これまで述べてきたことをまとめると、ゲーム業界一つ取り上げてもさまざなま革新が生まれていたことがわかります。

ゲーム業界のパラダイムシフト

◎「ゲームは専用の空間でプレイするもの」→「ゲームは家でプレイするもの」

◎「子供が楽しむゲーム」→「家族で楽しむゲーム」

◎「新しいハードを買って新作ソフトをプレイする」
→「ハードを買わなくても新作ソフトをダウンロードしてプレイできる」


このように、既存の常識を覆しながらどんどん進化していったということが言えます。

そしてこの「常識を覆す」という発想こそが、あらゆるビジネスを長期的に成長させていく上では必要なことになります。同じことをやり続けていても次第に顧客は飽きてきます。そんな中で、これまで述べてきたような常識を覆す発想が新しく人を惹きつける大きな要因になるからです。

この常識を覆すイノベーションというのは、必ずしも技術的な革新を指すわけではありません。現に任天堂のWiiは、それまでのハードよりも映像処理のスペックを落としたうえで常識を覆していきました。

また、AKB48のように「会いに行けるアイドル」というコンセプトを掲げることで、かつての「アイドルはファンからは遠い存在」という常識をぶち壊して業界にイノベーションを起こした例もあります。

このような例からも、イノベーションを起こすのに技術は必ずしも必要とうわけではないことがわかります。

したがって、もし今後新しいビジネスの商品やサービス・企画を打ち出そうと考えるのであれば「今の業界の常識になっていることは何か?」「そしてその常識のなっている構造を変えることはできないか」と考えてみるといいです。

モノの見方や発想を変えるだけでかなり面白い革新的なものが生まれ、それが大きく人を惹きつける要因になるかもしれません。

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