返報性の原理を営業に活かした結果!ビジネスで役立つ心理学実践
今回は「返報性の原理」という人間の心理を解説していきます。

この記事を読むことで理解できること

◎「返報性の原理(返報生の法則)とはどのような心理なのか」
◎「私たちの日常の場面で返報性の原理がどのようにあらわれるのか」
◎「ビジネスにおいて返報性の原理をどのように応用できるのか」


この記事は日常においてもビジネスにおいても非常に役に立つものとなっていますので、ぜひじっくりと読んでほしいと思います。

それでは、はじめに返報性の原理の内容をまとめた以下の動画をご覧下さい。


以下、内容を詳細に解説します。

返報性の原理とは?


まず、結論から先にお伝えします。

“返報性の原理” とは他者から何らかの恩恵を受けた場合、同じような形でこちらも他人にそのお返しをしなくてはならないという心理が働くことを言います(もらってばかりでは申し訳ないといった心理です)

また、これは裏を返せば他者からの依頼を断ってばかりの場合、別の機会・何らかの形で依頼を受け入れてあげなくてはいけないという心理でもあります(断ってばかりでは申し訳ないといった心理です)

具体例があった方がわかりやすいと思いますので、まずは以下の具体例でシミュレーションをしてみてください。

返報性の原理を利用した際に得られた効果


あなた今、パチンコ店でアルバイトをしています。今日は仕事内容として、上司に次のようなことを頼まれました。


「今日はパチンコを打っているお客さんに声をかけて、当店の会員カードを作るように促してくれないかな?この会員カードには貯玉ができるようになっていて、このカードを持っているってだけで、お客さんはまたこの店に来てくれると思うんだよね。会員カードを作るために記入する用紙には『名前・住所・電話番号・任意の暗証番号』を書く欄があるけど、最悪、名前と暗証番号だけ記入してくれれば会員カードは作れるようになってるからさ!たのむよ。最低5人はカードを作ってもらってくれ!」

そこであなたはホールでパチンコを打っているお客さんに声をかけ、会員カード作成を促すことになるのですが、この時、より多くの人に会員カードを作ってもらうためにはどうしたらよいでしょうか?

工夫すべきポイントを考えて下さい。

さて、この設定で少し考えてみてください。

実はこのシミュレーション案、私の実体験に基づいて作成したものなんです。私は大学1年の時に某パチンコ店でアルバイトをしており、たまに上記のように会員募集の仕事を任されることがありました(パチンコ店ではなくても、会員カードを発行している店のバイトであれば同じようなことを経験した人も多いと思います)

その会員募集の目的は「リピーター客を増やすこと」です。

カードを作ってくれたお客さんは、そのカードに貯玉をしていると「貯めてるだけではもったいないから全部使っちゃおう」と思い、またこの店に来てくれることが多いです。また、貯玉していなくても財布にカードが入っていれば、それだけでふらっと立ち寄ろうとしてくれるお客さんもいます。

そんなリピーターのお客さんを作る目的で私はそのパチンコ店でときどき会員募集を任されていたのですが・・・結果的に、私は毎回多くのお客さんに会員カードを作ってもらうことに成功していました。他の人がやっても2~3人しか成約できないところを、私は毎回10人前後のお客さんにカードを作ってもらえたのです。

すごくね?(笑)

なぜそれができたかというと、実はこれにはちょっとしたコツがあるんです。そのコツというのが、返報性の原理という人間の心理を応用したものなのです。

返報性の原理はどのような時にあらわれるか?


では、実際にどのようなコツをつかんで多くの人に会員カードを作ってもらうことができたのかを説明します。

まず大前提として、パチンコを打っているお客さんに声をかけることになるので、出玉の少ない・はまっている(負けている)お客さんには声をかけないほうが無難です。これは当然ですね。

出玉が少ないということは機嫌が悪くなっている可能性も高いですから、そんなお客さんに話しかけて依頼をしたところで「話しかけんなよ!」と怒られて終わりです。この場合、出玉の多いお客さんに声をかけるのが基本です。

そしてお客さんの近くにいき声をかけると、たいてい以下のような会話の流れになります。

私「失礼します、お客様、会員カードはお持ちですか?」

客「あ、いえ、もってないです」

私「今、こちらの紙に必要事項を記入していただくだけで無料でお作りすることができるんですが、いかがですか?」

客「うーん・・いや、結構です」

…と、まあこんな感じに。

お客さんの立場からすればパチンコを打っている最中にいちいち紙に記入するのも面倒なので、たいていその場で会員カードを作ることを拒否します。特にカードを作ることのメリットも私は伝えてませんし…。

しかし、この後に一言添えるだけで毎回大逆転が起こるんです。それが次のセリフです。

「住所と電話番号のほうは結構ですので、お名前と任意の暗証番号の記入だけ…お願いできませんか?」(高いトーンで申し訳なさそうに!笑)

この言葉を発したことで、毎回多くのお客さんは(一度断ったにもかかわらず)名前と暗証番号を用紙に記入して会員カードを作ってくれたのです。

なぜ、このセリフを発しただけでこのような逆転現象が起こるのか…。ここに、返報性の原理という人間心理が表れているのです。

顧客の返報性の原理が表出したカラクリ


繰り返しになりますが、返報性の原理とは「もらってばかりでは申し訳ない」あるいは「断ってばかりでは申し訳ない」という心理です。

この会員募集の場合、初めに私は「カードを無料でお作りできるのですがいかがですか?」という表現で用紙への記入をお願いしています。すると「いえ、結構です」と、お客さんは拒否反応を示しました。

この時点でお客さんは「私の申し出を断った」ということに対する心理的な負債を負っています。一応、まだこの時点では負債を負っていることは明確に意識しきれていませんが、潜在的には心理的負債があるのです。そこで、

「住所と電話番号は結構ですので…お願いできませんか?」

と、こちらが一歩譲歩した形でお願いを続けます。するとお客さんは・・・

「一度断ってるから、さらに断るのも申し訳ないな…向こうが譲歩してくれたから、こっちも譲歩してあげようかな。住所と電話番号を書かなくてもいいなら別にいいかな」

という心理になるのです。こちらが先に譲歩を施したことで、相手もこちら側に少しは譲歩してあげようという気持ちになる、まさに“返報性の原理”を利用した方法です。

これは「何かをもらったらお返しをしなければならない」という人間文化の規範のなかで最も基本的なルールに則った心理です。お中元なんかも、もらいっぱなしの状態ではなんか嫌ですよね。

このような形で、返報性の原理は思った以上に強力な効果を発揮します。“返報性の原理”という言葉を知らなくても、日常の中でこれが有効だと気付いてる人も割と多いかもしれませんね。

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック


そしてこの返報性の原理は様々なビジネスにおいても応用されています。主に何かの交渉をするとき等はこの心理が利用されます。

「初めに断られることを前提で何か大きなお願いをしておいて、断られた際にそれよりも少し程度を軽くして再度お願いをすることで、相手のイエスを獲得しやすくする」という手法がよく使われているのです。

このような、最初に大きな要求をすることで、その後の小さな要求を受け入れてもらいやすくする手法を“ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック”といいます。

この“ドア・イン・ザ・フェイス”という名前は「shut the door in the face(門前払いをする)」という熟語がその由来となっています。最初に門前払いされるような大きな要求をすることで、その後のお願いのハードルを下げるのです。

・「返報性の原理」
・「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」
・「大きな要求から小さな要求へ」

これはビジネス以外の場面でも使えるので、上のようなキーワードを覚えておくだけでも今後何かの役に立つかもしれません。

ちなみに・・・私は毎回会員募集で成果を上げ、そのパチンコ店に貢献していたはずなのですが、上司の社員に少し褒められるだけでそれ以外そのパチンコ店からはこれといった恩恵は受けていません…。会員募集で毎回貢献したのに・・・


俺に対する返報性の原理はないんかい!


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