
DeFiはWeb3.0時代の基幹産業になりうる非常に大きな存在であり、このDeFiなくして仮想通貨市場を語ることはできません。もし今DeFiがよくわからない状態なのであれば、それは仮想通貨自体がよくわかっていない状態と言っても過言ではないです。DeFiはそれほどまでに業界の中核を担う重要な存在なのです。
ここでは、そのDeFiの社会的意義・DeFi台頭の経緯を適宜図を用いながらわかりやすく解説します。仮に今DeFiが何か全くわかっていない人であってもその概要を一から理解できるようになりますので、じっくり読んでほしいと思っています。
なお、当記事の最後にはプレゼントの案内もありますのでぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。
目次
DeFiの社会的意義
DeFiとは“Decentralized Finance”の略記で、日本語では「非中央集権型金融」または「分散型金融」と訳されます。
これはブロックチェーン技術を活用することで、中央集権的な金融機関(主に銀行)を介さずに世界中の誰もが平等に金融サービスを利用できる金融体制を指します。従来の銀行などの金融システムに取って代わる可能性をもつ、新しい技術基盤を持った新しい金融システムです。
では、なぜこのDeFiが重要になるのか…?
それは従来の金融システムが資本主義の構造上非常に大きな問題を抱えているからです。従来の金融体制は平等とは程遠い仕組みになっています。特定の人だけが不利益を被りやすく、それによって貧しい人がより貧しくなる構造ができてしまっているのです。
例えば、今の銀行の融資モデルは次のようになっています。

今お金が余っている人はそのお金を“銀行に”預け入れ(実質的には貸し出し)、一方今お金を必要としている人は“銀行から”お金を借り入れるという形態です。つまり、お金を貸す人と借りる人との間を銀行が仲介しているのです。
この時、誰に・いくら貸して・返済期限をいつにして・いくらの利息を付けるのか、それらはすべて銀行が審査しています。融資の重要なファクターである金利・期限・担保などは貸し手と借り手が直接決めることはできず、その中央に位置する銀行に決定権限がある…これが中央集権的な融資システムです。
そこでは、銀行が定める「信用スコア」が高くなければ借り手は融資を受けることができません。信用スコアとは、現在の収入・過去の借入状況・クレジットカード利用履歴など様々な項目から算出される信用度ですが、この融資システムでは収入が不安定な人やクレジットカードやローンなどの金融サービスを利用したことがない人は信用スコアが低くなりやすく、それによってお金を借りることができないという結果になることも多いのです。
つまりこのシステムの元では、経済的に安定していない人や銀行にアクセスできない特定地域に住む人は融資に不利となってしまい、彼らは金融サービスを元に大きな経済活動を行うこともできません。これによりそのような人は経済的な挽回の機会も得られないままどんどん貧しくなり、貧富の差を一層拡大させることになってしまいます。
そしてこのような貧富の差の拡大という社会問題は、今の中央集権的な金融システムを維持したままでは解決することはできません。従来の金融システムとは別の全く新しい金融体制を構築しない限り、この資本主義の構造上の問題は打開できないのです。
その従来の金融システムに取って代わり、資本主義の構造上の問題を解決する可能性をもった全く新しい金融システム・・・それがDeFiなのです。

DeFiにおいてはお金(仮想通貨)の貸し手と借り手の間に特定の権限を持つ者は存在しません。両者の間に入って利ざやを稼ぐ中間搾取者の銀行が存在しなくても、借り手と貸し手に高いインセンティブを与えながら、中央集権的な審査なしでお金の貸し借りを実現できます。
これにより、従来のシステムでは融資の審査に通らなかった人やそもそも金融サービスにアクセスすらできなかった国の人でも資金を調達することができます。その結果、彼らもそのお金を元に経済的な挽回を図る機会が生まれるのです。
そしてこれは“融資”という点に限定した、DeFiの意義のごく一部です。そもそも金融サービスの意義は融資だけではなく、“貯蓄”や“投資”を含む広い意味での資産運用の役割も担っています。DeFiではブロックチェーン技術を基盤にすることで中間搾取者を排除でき、それまでは彼らが得ていた利ざやをユーザーに還元することができるため、より効果的・効率的な資産運用の実現も可能になります。
このように、従来の中央集権的な金融体制の課題や構造的な不平等を改善し、より公平でアクセスしやすい、そしてより効果的・効率的な金融エコシステムを実現する・・・ここにDeFiの大きな意義があるのです。
DeFi発展の経緯
ここまではDeFiの社会的意義についてお伝えしてきましたが、このDeFiに対して人々の関心が急激に集まるようになったのは2020年頃です。
ではこの2020年頃、何を直接のきっかけとして人々がDeFiに関心を持つようになったのか?…その主な要因は次の二つです。
◎【外的要因】新型コロナ蔓延による従来の金融市場の不安定化
この内的要因と外的要因が重なったことが、人々の関心が強く集まりDeFiが大きく発展した理由です。
以下、それぞれの要因を簡単に解説します。
【内的要因】イーサリアムのスマートコントラクト技術の普及

まず、2020年頃に台頭したDeFi系プロダクトの多くは、イーサリアムチェーン上で展開されました。DEXであればUniswap、レンディングであればAave、リキッドステーキングであればLidoなど…、これらは当時台頭してきた代表的なDeFi系プロダクトですが、それらのDAppsは全て初めはイーサリアム上で稼働をスタートさせたのです。
では、初期のDeFiはなぜ他のチェーンではなくイーサリアムチェーン上で活発になったのか?その理由はイーサリアムのスマートコントラクトの“先進性”と“革新的規格”にあります。
①イーサリアムの先進性
スマートコントラクトとはブロックチェーン上に記録されるプログラムであり、事前にプログラムされた条件が満たされると自動で特定の処理が実行されるように設計されています。このスマートコントラクトによってユーザーは仲介者なしで直接金融取引が可能になるわけですが、そのスマートコントラクトを最初に実装したブロックチェーンがイーサリアムなのです。
つまりイーサリアムは様々なプロダクトを構築するための土台を提供する「先駆者」的な存在であり、そのインフラが早期に整っていたことで多くのDeFi系プロダクトもイーサリアム上で展開されるようになったのです。
この「イーサリアムのスマートコントラクトの先進性」…これが初期のDeFiがイーサリアム上で活発になった理由の一つと言えます。
②イーサリアムの革新的規格
またイーサリアムに備わる「ERC-20」という規格の存在も、多くのDeFiプロダクトがイーサリアムチェーンに集中することに大きく貢献しました。
このERC-20規格はトークン発行に関する共通インターフェースを提供するもので、この規格を活用すれば比較的簡単にイーサリアムチェーン上でトークンを発行できるようになります。この「容易にトークンを発行できる」というのはDAppsを開発するプロジェクト側にとっては大きな利便性です。これがあることで多くのDeFi系プロダクトもERC-20を活用してトークンを発行しはじめ、それを元にイーサリアム上でプロダクトを展開するようになったです。
さらにイーサリアムには各DeFiプロダクトが相互に連携しやすい状況も整っており、これもイーサリアム上のDeFiプロダクト数の増加を加速させることになりました。
例えば、UniswapのDEX流動性プロトコルとAaveのレンディングプロトコルを組み合わせた利用などが可能であり、この「他のプロダクトと連携しやすい」というのも新規のプロジェクト側にとっては大きなメリットになります。このため、新興プロダクトも既存のプロダクトと連携しやすいイーサリアム上に展開するようになり、どんどんイーサリアム上のDeFi系プロダクトは増えていったのです。
このような「プロダクトを開発しやすい環境・発展させやすい環境を提供する革新的規格」…これも初期のDeFiがイーサリアム上で活発になった大きな理由です。
その問題の解決策として台頭してきたのが代替L1・L2チェーンであり、現在はイーサリアム以外のチェーン(BSCやSolana等)でもDeFiは活発になってきています。そのため当初はイーサリアム上だけで動いていたDeFi系プロダクトも、今では他のL1・L2チェーンにも展開しマルチチェーン対応しているものが多いです。
【外的要因】新型コロナ蔓延による従来の金融市場の不安定化

どんなにDeFi系プロダクトの数が増えても、そのプロダクトを使うユーザーが増えなければDeFiが発展することはありません。DeFi系プロダクトがどんどん増えていった理由は先述の「内的要因」でお伝えした通りですが、そのユーザーが急激に増えた理由は「外的要因」によるもので、それがコロナのパンデミックなのです。
2020年の3月頃、新型コロナウィルスの拡大に伴って世界中の経済活動が一時停滞しました。これにより当時は株式市場の相場も大きく下落し、金融市場の不安定性が大きく露見したのです。そんな状況の中で人々は従来の金融システムに不安を抱き、さらなるリスク分散を求めるようになりました。そのリスク分散の一環として、DeFiという全く新しい分散型金融システムに徐々に興味を持つ人が増えていったのです。
そして実際にDeFiに目を向けてみると、その相対的な利回りの高さは多くの人にとって魅力的に映りました。事実、2020年3月頃は各国の中央銀行は急遽で金融緩和政策を実施し、それによって従来の預金の利回りは低下しましたが、一方それとは対照的にDeFiプロダクトは流動性提供などで高い利回りを得ることができたのです。そのため徐々に資産をDeFiに移行するというユーザーの動きも見られるようになりました。
さらに、この当時は経済停滞によって大量の失業者が発生したこともあり、各国はその対策の一環として「給付金支給」などを積極的に行っていましたが、これにより新たに手にした資金を投資や資産形成に充てる人が増え、その資金の一部がDeFiに流れるようにもなりました。
このように、2020年当時は新型コロナウィルスの影響によって従来の金融市場に対する人々の不安が高まり、それが多くの人の目をDeFiに向けるきっかけになったのです。
以上のような「内的要因」と「外的要因」の二つが重なることで、2020年頃にDeFiへの関心は急激に高まるようになりました。そしてその年の夏には、DeFi特有の高い利回りや流動性マイニングという目新しい報酬システムに魅力を感じるユーザーがどんどん増え、彼らがそこに資金を投入しはじめたことでDeFiは大きく発展していったのです。
2020年夏のこの現象は「DeFi Summer」と言われています。
DeFiをより深く知りたい人のために
ここまで、DeFiの社会的意義とその台頭の経緯を詳しく解説してきました。
では、具体的にどのようなDeFi系プロジェクトが存在するのか…?そして各プロジェクトは実際にどのように動作・連携して機能するのか…?
無料メールマガジンの中で不定期に案内している講座の中では、このDeFiという大きな存在をカテゴリーごと(DEX・レンディング・リキッドステーキング・イールドアグリゲーター…等)に分け、それぞれの特徴を図を用いながら詳細に解説しています。

そこで培うことのできる知識は、その後「このDeFiプロジェクトは投資をする価値があるのか?」という個別の投資判断をする上で役立つものになります。さらに、DeFiはその後メタバースやNFTのエコシステム拡大にも影響を与えた存在であるため、そこで得られるDeFiの知識はDeFi以外の分野の理解を助けるものにもなり得ます。
個別銘柄分析の精度を上げて自分の投資パフォーマンスを向上させられるだけではなく、結果的にはDeFi以外も含む仮想通貨業界全体の理解もスムーズなりますので、当記事よりも深く踏み込んだ内容に興味がおありでしたらぜひ無料メルマガにもご登録いただければと思います。
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