ここでの「Chain」とは、次の①と②を指します。
①ブロックチェーン
②ブロックチェーン技術を活用したレイヤー
現在Web3市場には様々な種類のChainが存在しており、次の画像はすべて特定のChainを示したロゴになります。
そして上記はほんのごく一部であり、実際に存在するChainの数は200以上にも及びます。Web3市場では、各プロジェクトチームによって独自のブロックチェーンやレイヤーがそれだけ多く開発されているということです。
では、なぜこんなにも多くのChainが開発されているのか?…当記事はこの疑問に対する明確な回答が得られるものになっています。
そして「DAppsとChainはどのような位置付けにあるのか?」「ブロックチェーンのトリレンマとは一体何なのか?」といったことも含め、Chainの理解を深めることを通じて仮想通貨全般の知識を強化できる内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでご自身の活動に役立てていただければと思います。
目次
DAppsとChain
まずはDAppsとChainの関係性の解説から始めます。
DAppsとは分散型アプリケーション(Decentralized Applications)のことであり、これは各Chainの上で正常に動くアプリの総称です。
◎仮想通貨の取引ができる「分散型取引所(DEX)」はDAppsの一つですが、このDEXでの仮想通貨の売買はChainの上で行われることになります。
◎仮想通貨の貸し借りができる「レンディングプラットフォーム」もDAppsの一つですが、このプラットフォームを活用した貸し借りも同じようにChain上で実行されます。
◎デジタルアートを作成・売買するための「NFTプラットフォーム」もDAppsになりますが、そのNFTはChain上で発行や売買がなされます。
◎そのNFTを活用した「Web3ゲーム」もDAppsですが、そのNFTゲームも同様にChainを土台としてプレイができるものになります。
つまりどんなDAppsもそれ単体では機能することはなく、必ず基盤となるChainの上にセットされて正常に動くことになるのです。
したがって、DAppsの開発者からするとそのDAppsは必ずChain上で正しく動作するように設計する必要があります。冒頭でも述べた通りすでにChainにはいくつもの種類がありますが、既存のChainのうち少なくともどれか一つには対応する形でDAppsを開発する必要があるということです。
イーサリアムの革新性とスケーラビリティ問題
では、DAppsの開発者にとって最も対応させやすいメジャーなChainとは何か…?
それが「イーサリアムチェーン」です。
革新的規格「ERC-20」
イーサリアムチェーンがメジャーであることは、そのイーサリアムに本来備わる「ERC-20」という規格に起因します。
イーサリアムの「ERC-20」規格はトークン発行に関する共通インターフェースを提供するため、この規格を活用すればどんなプロジェクトであっても一貫した方法でトークンの作成が可能になります。
つまり、DApps開発者はたとえトークン設計に関する複雑な知識を持っていなくても、この「ERC-20」規格を活用することで簡単にイーサリアムベースのトークンを発行できるようになり、そのトークンを使った(イーサリアムチェーン上で動く)DAppsを容易に開発できるということです。
この「ERC-20」規格のおかげでDApps開発が容易になったことにより、イーサリアムチェーン上で動くDAppsの数は爆発的に増加しました。現在も他のチェーンと比較してイーサリアムチェーン上のDAppsの数は圧倒的に多く、特にDeFiやNFT分野での活用は顕著です。
つまりこの「ERC-20」は非常に革新的な規格であり、これ自体がイーサリアムを大きく発展させて今の仮想通貨時価総額2位の地位にまで押し上げた一つの要因と言えるのです。
イーサリアムのスケーラビリティ問題
上記のような理由から、イーサリアムチェーン上で動くDAppsの数はどんどん増えていくこととなりました。
しかし、そのDAppsの数の増加に伴って次第に大きな問題が生じてくることになります。
そもそもイーサリアムのネットワークはその設計上、大量のトランザクションを効率的に処理できません。したがってイーサリアムチェーンの上にDAppsが集中するようになると、イーサリアムのネットワークが混雑してしまいその上で動くDAppsのトランザクション処理速度も低下してしまうのです。
そしてネットワークが混雑している時には、各トランザクションを処理するために必要なガス代(手数料)は上昇します。DApps利用者の中には自分のトランザクションを早く処理してもらうために高いガス代の支払いを選択する人もいるため、これによってイーサリアムのガス代は大きく高騰し、小規模な取引をするDApps利用者にとっては非常に利用コスパが悪くなるという問題生じることになるのです。
例えばイーサリアムチェーンに接続されたDEXを利用する際、一回の取引をするだけで2万円相当の高額な手数料を取られるという現象は実際に起きた事例です。ここまで手数料が高騰するとユーザーはイーサリアムチェーンの利用を敬遠しがちになってしまいます。
このような問題を総じて「イーサリアムのスケーラビリティ問題」と言います。
スケーラビリティとは「ネットワークが多くのトランザクションを高速かつ効率的に処理できること」を指しますが、イーサリアムはその設計上スケーラビリティ面に限界があり、それが原因で処理速度の低下やガス代の高騰を招いているということです。
本来DAppsの土台となるブロックチェーンは次の三つの要素から成り立っています。
【分散性】ネットワークが非中央集権化され、多くのノードが分散して検証作業を行うこと
【スケーラビリティ】ネットワークが多くのトランザクションを高速かつ効率的に処理すること
そして、この三つの要素は全てを高いレベルで同時に満たすことは難しいというのが現状です。二つの要素を優先すると、残り一つはある程度は犠牲にしなければいけなくなります。
このような状況を「ブロックチェーンのトリレンマ」と言います。
イーサリアムの場合、セキュリティと分散性の二つを優先しているためスケーラビリティの面で課題が生じており、それがネットワークの混雑や処理速度低下に繋がっているということです。逆に言えばイーサリアムは堅牢なセキュリティと十分な分散性を確保できているため、多少スケーラビリティに難はあってもユーザーが安心して利用できるChainであるとも言えます。
イーサリアムの開発側としても、このスケーラビリティ問題に対処するためにいくつかの技術的な解決策を講じてきました。仕組み自体をPoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Stake)に移行してスケーラビリティの向上を図ったり、シャーディングという技術を導入してネットワーク全体を複数に分割することでトランザクションを並列処理し、全体の処理能力を高めるという試みも実際になされています。
しかし、それでもガス代の高騰を抑えてユーザビリティを高めるという観点からするとまだまだイーサリアム単体ではその解決策に限界があるというのが現状です。
そこで「このイーサリアムのスケーラビリティ問題を解決しよう」という名目で、数多くの個別Chainプロジェクトが次々に台頭するにようになったのです。
代替L1・L2プロジェクトの台頭
ここまで述べてきた「イーサリアムのスケーラビリティ問題」のソリューションとして台頭し、実際にイーサリアム開発の外で進められている個別Chainプロジェクトは数多く存在します。
そしてそのプロジェクトは大きく二つのパターンに分類できます。それが次のAとBです。
イーサリアムに取って代わる全く別のチェーンを新たに開発する
イーサリアムをベースのチェーンとしながらもその上にもう一つチェーンを構築する
上記A・Bの解決策のうち、AがLayer1(L1)、BがLayer2(L2)のプロジェクトになります。
では、そのL1・L2のChainはそれぞれ具体的にどのような仕組みをもっているのか…?
そして各L1・L2プロジェクトはどのようなアプローチで他の競合Chainとの差別化を図っているのか…?
メールマガジンの中で案内している特別講座の中では、当記事でお話ししてきたことよりもさらに深い内容に踏み込んだ解説を提供しています。
そこでは特定のデータサイトを複数取り上げながらChainの解説を施しているため、今後自分でプロジェクトのデータ分析をする上で役立つサイトの見方なども習得できます。さらに「そのChainのプロジェクトがトークンを発行している場合、そのトークンは投資をする価値があるのか?」という個別の投資判断をする上で役立つ前提知識も得られるものになっています。
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