RWAとセキュリティトークン(デジタル証券)の位置付けと将来性
当記事では、仮想通貨市場の中で近年注目度が高まっている「RWA」の特徴を詳しく解説します。

このRWAのカテゴリーは「実体や裏付けのない多くの仮想通貨トークンとは一線を画する」という点で近年注目を集めており、その市場規模も急速に拡大してきています。RWAの性質と近年の市場規模拡大の勢いを鑑みると、そう遠くないうちに既存の金融市場に大きな変革をもたらす可能性もあるカテゴリーと言えます。

当記事ではそのRWAの概要やRWAプロジェクトの社会的意義を、適宜図を用いながらわかりやすく解説しています。また、当サイトでは数年前から「セキュリティトークン(デジタル証券)」に言及していますが、そのセキュリティトークンとRWAの関連性についても当記事で触れています。

仮に今RWAを全く理解できていない人であっても、当記事を読むことでその内容や全体の位置付けを正確に把握できるようになりますのでじっくり読んで下さい。

なお、当記事の最後にはプレゼントの案内もありますのでぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。

RWAとは?


RWAとは “Real World Assets” の略記であり「実世界資産・現実資産」などと訳されます。具体的には株式・債券・不動産などの伝統的な金融商品や、貴金属・美術品などの有形資産がRWAに該当します。

この “Real World Assets” は単体で理解するよりも、それと対照的な “Digital Assets” と比較して考えるとより理解しやすくなります。

現実資産市場と暗号資産市場


下の図は「Real World Assets=現実資産」と「Digital Assets=暗号資産」を並べ、両者の資産の性質の違いや市場の大きさの違いを示したものです。


まず、左側の現実資産には「株式・債券・不動産・ゴールド・アート…」などが該当します。一方、右側の暗号資産は主に「トークン」呼ばれるブロックチェーン上の資産を指します。

前者はブロックチェーン上にないオフチェーンの資産、一方後者はブロックチェーン上に表現されるオンチェーンの資産、という点に明確な違いがまずあります。

◎ 現実資産=ブロックチェーン上にない、オフチェーンの資産
◎ 暗号資産=ブロックチェーン上にある、オンチェーンの資産

また、両者の市場規模を比較すると現時点では左側の現実資産の市場規模の方が圧倒的に大きいです。

現在の世界の株式市場は約110兆ドル、債券市場は約130兆ドル、不動産市場は約3.7兆ドルです。現実資産のうちのこの三つだけを取り上げても、世界の時価総額は240兆ドルを超えるほどの規模です。

一方、暗号資産市場の時価総額は当記事執筆時点で約2.7兆ドルです。様々な仮想通貨プロジェクトが独自トークンを発行していますが、それらすべてのトークンとビットコインの時価総額を合わせても現時点では現実資産の時価総額より桁が二つも小さいのです。

現実資産の市場規模はそれほど大きなお金が動いている超巨大市場であると言えます。

RWAプロジェクトの特徴


ここまで述べたことを前提に「RWAプロジェクト」について詳しく説明します。

RWAプロジェクトとは現実資産をトークン化してブロックチェーン上で運用可能にすることで、現実資産市場と暗号資産市場の橋渡しをすることを目的としたプロジェクトです。

それを図で表すと以下のようになります。


RWAプロジェクトは、左側の現実資産をトークン化してブロックチェーン上に表現します。するとその資産は右側のオンチェーン上のアセットになります。つまり元々暗号資産市場に存在していたトークンとは別に、新たにトークン化された資産がその市場に現れることになるのです。そのためオンチェーンの資産の市場規模はその分大きくなります。

そしてこの時、新たにトークン化された資産は「デジタル〇〇」という言葉で表現されるのが一般的です。例えば、株式や債券をトークン化したものであれば、それぞれ「デジタル株式・デジタル債券」という言葉で表します。

なお、現実資産の中でも株式・債券・不動産などはまとめて「証券(Security)」という言葉で表せるため、これら証券をトークン化したものをひとまとめにして「デジタル証券」もしくは「Security Token (セキュリティトークン)」と言います。


(※つまりセキュリティトークンは「RWAをトークン化したデジタル資産の一部」という位置付けです)

このようにRWAプロジェクトは、現実資産をブロックチェーン上のデジタルな資産に変換するプロセスを通じて現実資産市場と暗号資産市場の架け橋となる役割を果たすのです。

 ただし、法的な枠組みではデジタル証券は暗号資産には分類されません。上記の図はあくまで資産の性質と市場規模をわかりやすくするための便宜上の区分と理解してください

そして二つの市場における金融システムをそれぞれ次の言葉で表すことがあります。

◎ 現実資産を扱う伝統的金融 =「TradFi
◎ 暗号資産を扱う分散型金融 =「DeFi

したがって、RWAプロジェクトは「TradFiとDeFiとの橋渡しをするプロジェクト」とも言えます。

現実資産の市場規模はすでに述べた通り超巨大なので、その資産のトークン化を進めるRWAプロジェクトは超巨額のお金を動かすプロジェクトということになります。そして現実資産のトークン化がどんどん実装されそれらがデジタル資産になっていくと、暗号資産市場の時価総額はとてつもなく大きく膨れ上がる可能性が出てくるのです。

現実資産トークンと仮想通貨トークン


そしてこのRWAをトークン化した資産は、多くの仮想通貨トークンとは決定的に異なる点があります。両者共にどちらもブロックチェーン上の資産である点では共通しているのですが、一つ重要な違いがあるのです。

それは「資産の明確な裏付けがあるのか・ないのか」という点の違いです。

仮想通貨トークン


一般的な仮想通貨トークンの場合、そのトークンは特定のプラットフォーム内で利用されるものだったり、特定のコミュニティ内でガバナンストークンとして利用されるものが多いです。その中には明確な裏付け資産を持たず、投機的な価値を持つことを主な目的とするトークンもかなり多く存在します。

プロジェクトの成否やコミュニティの成長によって価値が変動することも多く、価値の源泉がプロジェクト自体や将来への期待に依存する傾向があります。

現実資産トークン (RWAをトークン化したもの)


一方、現実資産トークンは、すでに存在している現実世界の資産をデジタル化したものです。そのトークンには裏付けとなる現実資産が存在し、証券の場合は所有権などの権利がそこに表れています。

例えば、不動産をトークン化したものであればそのトークンは不動産の一部所有権を表します。債券をトークン化したものならそのトークンは債券の請求権を表します。価値の源泉は裏付けとなる現実資産そのものの価値に基づくことになります。


このように一般的な仮想通貨プロジェクトは「実体のないところからトークンを作り、事後的に価値を持たせる」場合が多いのに対し、RWAプロジェクトは「すでに存在している価値ある実体資産をトークン化する」という点が大きな特徴と言えます。

RWAをより深く知りたい人のために


ここまでは、RWAの位置付けや市場規模、RWAプロジェクトの特徴を解説してきました。

では、現実資産をブロックチェーン上のデジタルな資産に変換することにはどのような社会的意義があるのか…?そして具体的にどのようなRWAプロジェクトが存在するのか…?

無料メールマガジンの中で不定期に案内している講座の中では、このRWAプロジェクトの社会的意義や個別プロジェクトごとの特徴をかなり詳しく解説しています。


そこで培うことのできる知識は、その後「このRWAプロジェクトは投資をする価値があるのか?」という個別の投資判断をする上で役立つものになります。さらに、RWA自体が本来仮想通貨の外の資産であるため、結果として仮想通貨以外の株式や不動産などの理解も深めることが可能です。

RWA銘柄分析の精度を上げて自分の投資パフォーマンスを向上させられるだけではなく、結果的には仮想通貨以外の含む株式や不動産の知識強化にもつながりますので、当記事よりも深く踏み込んだ内容に興味がおありでしたらぜひ無料メルマガにもご登録いただければと思います

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